笠谷耕二(かさたに こうじ)
[ 造形作家 ]
バナナの皮や使い古されたダンボール…実はすべて陶器で作られている。
作り出したのは造形作家・笠谷耕二。
「僕の作品をおしゃれなギャラリーなどで展示するとお客さんが“えっ!?これ何?”って言ってびっくりしてくれるんです。その反応を見るのが楽しいですね。」
ゴミや廃品など、モチーフは一風変わったものばかり。
石膏(せっこう)で実物から型をとるなど、手間ひまかけてリアリティを追い求める。
「ダンボールの型をとった後に、わざと歪めたり、曲げたり、ちぎったり、汚してみたり、そんな作業をしています。」
普通は見向きもされないような物に光を当てる笠谷。
その作品に込められたデザイン・コードとは…
【有終の美を飾る】
「普段は見過ごしてしまう、モノ自体が歩んできた歴史やそれを使った人の想いなど、そういった美しさを形として留めておきたい。」
笠谷が20年履き続けた靴も作品に。
「20年履くと、形が変わり色も変わる。このくたびれ方というのは僕にとっては宝物なんです。
そして、作品を見る人にとっては驚きになるんです。」
ゴミをモチーフに作品を生み出す笠谷だが、
ゴミなら何でもいい…というわけではないようで。
「普段の暮らしの中で、“作りたいなぁ”と思うゴミに出会ったときは、ゴミに感謝しますね。」