後藤映則(ごとう あきのり)
[ アーティスト ]
白くて円いメッシュ状の物体。これを回転させ、光を当てると…線で描かれたバレエダンサーが踊りだす。手掛けたのは、独特の映像表現を得意とするアーティスト 後藤映則。
踊っているバレエダンサーの動きを一コマ一コマ線で描く。コンピューター上でその絵を円状に並べ、3Dプリンターで立体にする。その立体を回転させ、頭上からの線状の光を当てると…線で描いたバレエダンサーが浮かび上がり、踊っているように見える。
「プロジェクターから当てる光を増やすと、出てくる像も増えていきます。作品の回転スピードと同じ速度で光の線を回転させるとバレエダンサーが静止して見えたりします。」
ありそうでなかった後藤の不思議な作品。そこに込められた、デザイン・コードとは…
【時間の彫刻】
「時間の彫刻みたいなものと捉えることができると思います。」
動く対象の一瞬を切り取る「彫刻」に対し、この作品では表現したい対象の一連の動きと時間を表現することができる。
交差点を行き交う人たちをモチーフにした作品では…
「子供やサラリーマン、スマホをいじる人などいろんな年齢や人種の人が歩く姿が入っています。世の中っていろんな人の時間が混ざりながら構成されているんじゃないかなと思ったので作りました。」
緻密な計算で作品を作り上げる後藤だが、創作のモチベーションはいたってシンプル。
「もっともっと“スゲー”ものを作りたいなと思いますね。」