太田 隆司(おおた たかし)
[ ペーパーアーティスト ]
正月の浅草・雷門をモチーフにしたジオラマ。立体的に見えるが、実は人も背景も全て薄い紙で作られている。生み出したのは、ペーパーアーティスト 太田隆司。自動車専門誌で、作品を発表すること20年、その数240作品。すべて、太田が編み出した手法で作られる。
「紙に丸みをつけています。そうすると立体感が出てくるんです。僕の作品は絵と立体の中間です。子供の頃からリアリティーある絵が大好きで、絵の中の程よい距離感というかリアルを追求しました。」
さらに、リアルさを追求する独自の技法があるという。
「紙の表面に切り込みを入れ、引っ張り出したりへこませたりして陰影が出るようにしています。そうすることで人物の顔に表情が出てきますね。」
極限までリアリティーを追求する太田の作品。そこに込められたデザイン・コードとは…
【人々の語らい】
「一番見て欲しいのは、作中に描かれた人々の語らいです。例えば、花火大会をモチーフにした作品『期待の夕暮れ』では、通りかかった子供たちが“あの辺から花火上がるはずだよな”って話している様子や、偶然居合わせた浴衣の女の子同士が“最近どうしてる?”なんて語り合うような人間ドラマを見てほしいです。」
日常の何気ない一瞬を切り取る太田。一番得意な人物とは…
「“太田はおばあちゃんを作るの得意だよな”ってよく言われます。おばあちゃんのかがんだ姿勢とか、上手くできると“いけたな!”と手応えを感じますね。」