#064 2004年1月10日放送
国  名:インドネシア
インドネシアでマンガ学校を!
〜日本マンガが大ブーム〜

tv asahi
前山さん一家プロフィール
前山 つよし(36歳)
    まち子(36歳)
放 送 内 容
今回の地球家族は、インドネシアはジャカルタで日本のマンガを教えている前山まち子さんとそのご主人つよしさんのご夫婦。
赤道直下の国インドネシアは、一万七千以上もの島からなり、地域ごとに独自の文化や言葉がある多民族国家です。その首都ジャカルタは、人口900万人で東南アジア地域最大の近代的な都市と言われ、世界各国から多くの人々が訪れています。現在では日本人も一万人以上住んでいると言われています。


このインドネシアで今、日本のマンガが大ブーム。特に「ドラえもん」「キャプテン翼」「スラムダンク」などは、子供たちに大人気です。そんなジャカルタで、前山まち子さんは一年前マンガ学校を開設しました。現在は100人もの生徒に日本の漫画の描き方を教えています。ご主人のつよしさんは、日系企業に勤めており、まち子さんを陰ながら支えています。


まち子さんとつよしさんは、中学校の同級生でした。中学卒業後はそれぞれ別の学校に進み、まち子さんは、「花のあすか組!」などで知られる漫画家高口里純さんのアシスタントを経て、「茶花ぽこ」というペンネームで漫画家としてデビューしました。連載を抱え、忙しい日々の中、あるパーティーで11年ぶりに真知子さんはつよしさんに再会したのです。それがきっかけで交際が始まり、やがて結婚に至りました。


結婚三年目に転機は訪れました。つよしさんが勤めていた新聞社を辞め、ずっと興味を持っていたインドネシアに留学することになったのです。留学ですからつよしさんの収入はありません。そこで、まち子さんはインドネシアの苦労をマンガにし、その原稿料で生活費をまかなうことにしたのです。そして、その後ジャカルタにおける日本のマンガブームに注目し、マンガ学校を開校することにしました。日本のマンガ人気もあり、学校は予想以上の大盛況となりました。現在では生徒も100名を超えました。教材は日本にいた頃に自分が描いていたマンガ。まち子さんは、マンガの描き方だけでなく、技術を学ぶことで人間的にも成長して欲しいと考えています。


ある日、まち子さんのマンガ学校に、ある電機メーカーから井戸水用ポンプの説明書をマンガで作って欲しいという依頼がきました。水道が完全には整っていないインドネシアでは、井戸水用ポンプは重要な家電品の一つ。 インドネシアでは複数の言語が混在しているので、少しでもわかりやすくしようとメーカーがマンガで説明書を作ることにしたのです。まち子さんは生徒の中でも優秀なリリンさんとエルダさんにその仕事を任せました。



まち子さんは付っきりで二人に指導しました。二人の生徒には、なんとかこの仕事を成功させてプロの道への第一歩を踏み出して欲しいのです。制作期間は一ヵ月半。電機メーカーの担当者に原稿を見てもらう日がやってきました。その結果は・・・多少のミスはあったものの、無事プロの仕事として認められました。
漫画家という夢に向かって頑張る生徒たちに情熱を注ぐまち子さん。これからもつよしさんと、お互いの夢を尊重しながら常夏のインドネシアで支え合って生きていくのでしょう。

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