←バックナンバーINDEX
#049 2003年9月20日放送
国  名:デンマーク
デンマークで銀細工職人に!
〜両親の反対を押し切って〜


TV-Asahi
フェアディナンセンさん一家プロフィール
有紀 フェアディナンセン(44歳)
ペア   フェアディナンセン(53歳)
晏野   (15歳)
  (13歳)

 
放 送 内 容
今回の地球家族は、デンマークはコペンハーゲンで銀食器の職人として活躍する有紀・フェアディナンセンさんとその家族。
デンマークの首都コペンハーゲンは、作家アンデルセンが愛した町。童話の世界のような街並を求めて世界中から多くの観光客が訪れています。





デンマークの銀の加工技術は世界でもトップクラス。隣国のノルウェーで産出される上質の銀を加工してきた歴史を持ちます。
その中でも、来年で創業100年を迎えるデンマーク御用達の「ジョージ・ジェンセン」は、実用性と美の融合をテーマとし、芸術性の高い銀製品の数々で世界中の人々を魅了しています。人気商品は、指輪やイヤリング、時計などのアクセサリー。一本一万円以上もするスプーンやフォークなどのカトラリーは、日本の主婦の憧れです。





有紀さんはデンマークで、七人しかいないチェイサーと呼ばれる銀細工職人の一人です。
現在は、約100年前の作品と同じ装飾を銀製品に細工していくこと。ハンマーと鏨を使い分け、見本と同じものを忠実に彫っていくのです。それは0.1ミリの誤差も許されない作業です。正社員になってまだ一年の有紀さんは、求められる技術が日本と学んだものと違うため、何度もチェックを受けます。




有紀さんが金属工芸の道に進んだのは、彫刻の作品を多く手がけてきたお父さんの影響でした。
有紀さんは18年前、日本で英語学校の講師をしていたペアさんと結婚しました。両親はその国際結婚に猛反対しましたが、日本に住みつづけることを条件になんとか許してもらったのです。しかし、6年前に有紀さんは自分の力を試したいと、一家でデンマークに移住することを決断したのです。もちろん、両親は猛反対。しかし、その反対を振り切って、デンマークにやってきました。




有紀さんは、ずっと心配ばかりかけている両親を少しでも安心させたいと、両親に銀食器を作ってプレゼントすることにしました。仕事の合間に友人と借りている工房に通い、世界で一つしかない銀食器を作っていきます。毎日少しずつ作業を重ね、ある日作品は完成しました。
数日後、京都の両親の家に有紀さんの作品が一通の手紙と共に届きました。有紀さんの両親は、まるで我が子を見るように銀の器を手に取りました。有紀さんの両親への感謝の気持ちは十分伝わったようです。



後日、京都の両親から一通のファックスが届きました。そこには「ありがとう」の言葉が。それは、有紀さんが初めて両親からもらった言葉でした。
デンマークと日本。距離は遠く離れていても、家族の絆は深く、固く結ばれているのです。


TV-Asahi