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#035 2003年6月7日放送
国  名:インドネシア
バリで伝統芸能を支える日本人女性
〜楽団を率いる夫を支えて〜


TV-Asahi
スェントラさん一家プロフィール
和子・スェントラ(57歳)
イー・クトック・スウェントラ(54歳)
放 送 内 容
今回の地球家族は、バリ島に魅せられ、バリの伝統音楽の楽団を率いるご主人と彼を支える日本人妻。
時間がゆったり流れるバリは、どこか懐かしい風景が広がり、優雅なリラクゼーションスポットとしても人気の高いリゾートアイランドです。神々が住む島と言われ、宗教的な意味合いを持つ独特な踊りや音楽はバリの人々の生活に深く溶け込んでいます。





神秘的な文化を誇るバリ島の魅力の虜になってしまう日本人は後を絶ちません。和子・スエントラさんもその一人。バリ島に移り住み、36年。 彼女は36年前、日本で知り合ったインドネシア人の家に嫁いできたのです。最初の結婚はうまく行かなかったのですが、バリに来て6年たった頃に勤めた旅行会社で今のご主人スエントラさんと出会いました。二人はバリの音楽を通じて絆を深め、結婚したのです。






1945年までの300年間、バリ島はオランダの統治下にありました。当時オランダは、バリ人が竹を使用することを、武器になるとして禁止していました。そのためその間、竹からつくられた「ジェゴク」という打楽器は姿を消していたのです。
そのジェゴクの音色を復活させたのがスウェントラさんでした。ジェゴクは一人ではなく、何人もが奏でるいくつもの音色やリズムを重ね合わせて演奏することによって、独特の世界を作り上げていく楽器です。
そこでスエントラさん夫婦は楽団を結成しました。その名も「スアール・アグン芸術団」、神の光という意味です。




毎週一回ご主人の実家で行われる定期公演会。この日は日本からの団体客が来ていました。竹から生み出されるリズムを身体に感じ、トランス状態になる観客もいます。ジェゴクの複雑な音を最も感じられる特等席は楽器の下。観光客は皆その魅力を十分堪能しました。
昨年のテロ事件以来観光客が減りつづけているバリ島に、一人でも多くの観光客を呼び戻したいという、二人の熱い想いが、ジェゴクの音色と共に熱く響き渡っていきます。





週末、和子さんはおにぎりやおそばなど日本食を作り、家から15分ほどの場所にあるビーチに家族揃って出かけました。和子さんたちは時々こうして家族との穏やかな時間を楽しみます。
バリ島で今の家族と共に過ごして25年。
懐かしい風景とゆっくりとした時間の中で、スエントラさん一家はこれからも穏やかに暮らしていくのでしょう。




TV-Asahi