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#030 2003年5月3日放送
国  名:ニュージーランド
ニュージーランドでワイン造りする日本人
〜苦節7年!初めてのワイン完成の日〜

TV-Asahi
楠田さん一家プロフィール
楠田 浩之(38歳)
玲子(39歳)
祐理杏(8歳)
健祐(7歳)
放 送 内 容
今回の地球家族は、ニュージーランドはマーティンボロで日本人としてただ一人ワイン造りをしている楠田さんとその家族です。
マーティンボロは、首都ウエリントンから北東に80キロの場所にある人口1500人の小さな町。しかし、ここは37ものワイナリーがひしめいている、ワインの町。夏暑く、秋は乾燥するこの地域は最高級品種のブドウ栽培に適しているのです。
ニュージーランド産ワインは、フルーティで爽やかな口当たりで世界中にファンが多く、ニュージーランドではここ数年でワインの生産量が急激に増えています




そんなニュージーランドに楠田浩之さん一家は2年前から住み、ワイン造りに夢を託しました。
浩之さんは大学時代に世界中のワイン産地を旅して回るほど、ワインに魅せられました。大学卒業後ワインとは関係のない一流企業に就職しましたが、ワインのことを知れば知る程ワインへの思いは強くなり、とうとう脱サラを決意しました。その時は既に玲子さんと結婚し、長男が生まれたばかり。そんな大変な時期に、ワイン造りを一から学ぶため、ドイツに5年間留学しました。そして、ワイナリーを構える土地に選んだのがニュージーランドだったのです。




ワインの産地として大きな可能性を秘めたニュージーランドに惚れ込み、一家で移り住んできましたが、資金も経験も信頼もない楠田さんに土地を買うことはできません。そんな時楠田さんに土地を貸してくれたのは、昨年亡くなったウィリー・ブラウンさん。楠田さんの一生懸命さと情熱に心を動かされたのだそうです。
土地は借りられましたが、本当の苦労はこれからでした。ブドウを食べに来る鳥を追い払うのも、楠田さんは自分ひとりでやっています。自転車に乗り、手をたたいて鳥を追い払うのです。通常の農場では畑に網をかぶせたり、人を雇って散弾銃で追い払ったりしています。
また、収穫も周辺の農場では人を雇い、短時間ブドウを摘み取ってしまいますが、楠田さんは人を雇う余裕がありません。今回は、日本からわざわざ楠田さんのお母さんと弟さんが収穫の手伝いをしにきてくれました。




楠田さんは夜自宅に戻った後もワインの研究に余念がありません。世界各国の銘柄を取寄せ分析し、自分のワイン造りにいかしているのです。
さて、その努力の結晶とも言える初めてのワインがもうすぐ出来上がります。ドイツで5年勉強し、ニュージーランドに来て2年、合わせて7年かけて作り上げたワイン。そのワインの試飲会が行われることになりました。その結果によってワインが売れるかどうか決まります。




会場にワインを評価する人たちが集まってきました。今回は地元のニュージーランドの人たちだけでなく、日本のバイヤーも買い付けに来ています。
テイスティングが始まりました。いずれも厳しい目と舌を持ったプロたちです。この評価でワインの値段が決まるのです。
結果は、まずまずでした。早速玲子さんに電話で報告しました。




その日、ささやかなパーティーが開かれました。これまで応援してきてくれた人たちに、初めて完成したワインを振舞いました。自分たちで作ったワインを皆でじっくり味わいました。
子供たちから楠田さんに「クスダ・ワインズ」と書かれた看板が贈られました。実は楠田さんの畑にはまだ看板がなかったのです。
楠田さん一家の努力と情熱がニュージーランドの大地にしっかりと根付き、実り始めています。これからも家族みんなで助け合い、夢に向かって歩んでいくのでしょう。



TV-Asahi