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#023 2003年3月15日放送
国  名:中国
上海で麺作りに賭ける日本人
〜麺大国にラーメンで挑む!〜


TV-Asahi
酒向さん一家プロフィール
酒向 淳(43歳)
   優子(42歳)
   雄大(10歳)
   杏奈(6歳)
放 送 内 容
今回の地球家族は、中国は上海に日本式のラーメンの麺で挑む酒向淳さんとその家族です。
上海は人々が一日一食は麺を食べると言われる程の麺大国。酒向さんは、この舌の肥えた上海の人々に日本式の麺を認めさせたいと、8年前に麺工場を設立しました。上海人のスタッフと共に一日100食の麺を生産しています。今のところ、その麺は酒向さんが経営している日本の食材を扱うスーパーマーケットのみで売られています。買い物にやってくる日本人には彼の作った麺は人気です。しかし酒向さんは、あくまでも上海の人々に食べてもらうのが目標なのです。




実は日本のラーメンの麺は日本で生まれたもの。中国の麺とは原材料が違います。中国の麺が小麦粉とかん水、水で作られているのに対して、日本の麺はそれらに卵と塩が加わります。そのため中国の麺に比べてコシが弱くなるのです。上海の料理店に売り込みに行っても、コシが弱いということを理由にどこも断られてしまいます。
酒向さんはなんとかして上海の人々に認められる麺を作りたいのです。
酒向さんが日本のラーメンの麺にこだわるには理由がありました。それは、7年前に上海でラーメン店を開店したところ、たった一年で閉店させてしまったことにあります。これからずっと上海で生きていくならば、もう一度麺で勝負し、上海の人々に認めてもらいたいと思ったのです。




酒向さんと奥さんの優子さんの出会いは1986年。学生時代から中国の歴史に興味があった酒向さんは、北京の大学に留学していました。その時同じ寮に住んでいた優子さんに出会い、大学卒業後結婚。卒業後も日本の会社の駐在員として中国で就職し、子供にも恵まれました。そして、1995年脱サラし、その退職金を元にラーメン屋さんとスーパーマーケットをオープンしたのです。




スーパーマーケットは年中無休で夜10時まで営業しています。そのため、酒向さんの帰宅は毎晩11時過ぎになり、夕食を家族そろって食べることは一年に数回あるかどうかです。
子供たちは夕食を一緒に食べられなくてもお父さんの帰りを毎日待っています。疲れた身体と心を癒してくれる家族は、酒向さんにとってかけがえのない存在なのです。




レストラン「そしゅう飯店」は中国に10店舗ある大型チェーン。酒向さんはこれまでに過去2回このレストランに麺の売込みを断られました。なんとかしてこのレストランのシェフに認められたい!
酒向さんの課題は、歯ごたえを出すための原材料の配合。毎日研究を重ねました。
試行錯誤の結果、その配合がなんとか形になりつつありました。そして、さらに麺にある工夫を施しました。それは手もみで縮れ麺にすること。
試食してもらった上海人の人々からも評判は上々。自信を深め、酒向さんは3度目の売り込みに向かいました。




そして、いつものシェフが試食。緊張の一瞬。
果たして・・・なんとシェフは、「1回お店で試してみる」と言ってくれたのです!
喜びを胸に、その足で家に帰り、家族に報告。家族全員で喜びを分かち合いました。
家族が支えてくれたからここまで頑張って来られたと話す酒向さん。
上海での夢はまだまだ始まったばかり。酒向さんは、これからも、家族の暖かい笑顔に包まれ、目標に向かって進んでいくのです。


TV-Asahi