#075   2004年3月27日放送
BS朝日: 4月2日(金)よる10時〜放送
    4月3日(土)あさ9時〜放送
国  名:アメリカ
アラスカで夫婦ともに犬ぞりレーサーに
〜プロとして世界大会に挑戦〜

tv asahi
今野さん一家プロフィール
今野 道博(41歳)
    里紅(29歳)
放 送 内 容

今回の地球家族は、アメリカはアラスカで犬ぞりレーサーとして活躍する今野道博さんと里紅さんのご夫婦。北極圏にまたがるアラスカ州は、冬の平均気温が−10度という極寒の地。真冬になると−40度以下になることもあります。熱いお湯は一瞬にして水蒸気に変わって氷の粒になるほどの寒さです。アラスカにとって、犬ぞりレースはアラスカの開拓の象徴であり、100年以上の伝統を誇る名物なのです。



アラスカ最大の都市、アンカレッジから車で東で北へ1時間半の場所にあるワシラという町に今野さん夫婦は住んでいます。このワシラには今野さん夫婦以外にも、マッシャーと呼ばれる犬ぞりレーサーが300人以上も住んでおり、犬の育成場があちこちで見られます。今野さんのお宅は小さなロッジ風の家。暖房費がかさむので、部屋は10畳一間のみです。



今野さんの育成場は、家から歩いて数分の場所にあります。現在、アラスカンハスキー、ユーロハウンドを合計70頭育てています。餌は牛肉、鶏肉、プロテインなどを加えたスペシャルフード。冬は暖かいスープにして朝夕2回配ります。犬の育成の必要経費は年間500万円以上かかります。今野さん夫婦の収入は、主にレースの賞金やスポンサー料ですが、それだけで必要経費をまかなうことはできないので、ガイドの仕事や育てた犬を売ることで生活費も含め補填しています。



道博さんが犬ぞりレースを始めたのは今から15年前の1989年のこと。当時札幌市営バスの運転手をしていた道博さんが、自慢の愛犬でレースに参加したところ、連勝につぐ連勝で国内にはもはや敵無しとなりました。そこで、1994年から年に一回本場アラスカに遠征するようになり、1998年世界3大レースの一つの大会で世界チャンピオンになりました。その時にずっと遠征を手伝っていたのが里紅さんでした。道博さんは世界チャンピオンになったのを機に里紅さんと結婚し、アラスカに移住したのです。



道博さんの夢は、本場で夫婦共々プロのマッシャーとして世界と戦うこと。今回、里紅さんが女性の世界大会に初めて挑戦します。道博さんが里紅さんのコーチとなり、夫婦で力を合わせて女性世界一の座を目指すのです。今回の大会は22kmのコースを一日一周走り、3日間の総合タイムで順位を競います。14頭の犬たちとともに、レースに挑みました。



初日の結果は3位。大健闘です。地元の新聞にも「世界初挑戦の日本人が3位に入った」と大きく取り上げられました。しかし2日目は、里紅さんの判断ミスでタイムを落としてしまいました。夜、二人で最終日の組み立てを何度もシミュレーションし、3日目に臨みました。この日は気温が高く、里紅さんは暑さに弱いアラスカンハスキーを外して走りました。大きな賭けでしたが、第一チェックポイントではなんと最高記録をたたき出しました。結果は、3日間の総合タイムで見事3位入賞。夫婦と犬たちで勝ち取った栄光です。


アラスカの厳しい自然の中で、犬ぞりレースに人生をかけている今野夫婦。夫婦で世界一という夢は、すぐ手の届くところまでやってきています。


今野さんのHPアドレス
http://www1.ocn.ne.jp/~sleddog/
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