5分でわかる!京都議定書と洞爺湖サミット

京都議定書って?
京都議定書って、どんなことが決められているの?
京都議定書というのは、今から11年前の1997年に決められたものでな。先進国全体の温室効果ガス(CO2など)の排出量を減らすことが約束されたんじゃ。どれくらい減らすのかというと、2008年から2012年の間に、1990年に比べて5%少なくすることを目標にしておる。それから、減らさなきゃならんガスの種類、それぞれの国の目標、国どうしが協力して温室効果ガスを減らす「京都メカニズム」という仕組みなんかについても、京都議定書には書かれておるんじゃ。
なるほど、世界の国々が力を合わせて地球温暖化の防止に取り組もうとしているわけだね。
たしかに、京都議定書にはたくさんの国々が賛成しておる。しかし、問題は山積み。
まず、温室効果ガスを減らす義務を負っているのは先進国だけで、最近、急に排出量が増えている中国やインドなどの国には、そういう義務はないんじゃ。それだけじゃあない。世界で一番温室効果ガスを出しているアメリカが、先進国以外の国が約束に加わらないのはおかしいと言って、2001年に京都議定書から抜けてしまったもんじゃから、このままでは温暖化がどれだけ食い止められるか心配されておるんじゃよ。
日本は温室効果ガスをどれだけ減らすことを目標にしているの?
1990年の排出量と比べて6%減らすことを約束しておる。ところが2006年の排出量を見てみると、困ったことに、1990年より減るどころか、逆に6.2%増えてしまっておるんじゃ。
どうして排出量が増えてしまったの? どうしたら目標を達成できるの?
日本は、省エネルギーなどの技術は世界でもトップレベルにあるんじゃが、仕事や日常生活で使う電気製品の数が増えたり、ものを輸送する量が増えたりして、全体の温室効果ガスが増えてしまっておる。京都議定書の目標を達成するためには、仕事や生活のしかたを見直したり、そういう努力を後押しする技術や社会の仕組みを取り入れたり、一つ一つの努力を積み重ねていくことが大切なんじゃ。それから、「京都メカニズム」のしくみを活用することも必要になってくるかもしれんな。
京都議定書の目標を達成すれば、地球温暖化は防止できるの?
京都議定書は地球温暖化を防止するための重要な取り決めじゃが、あくまでも第一歩にすぎん。京都議定書の目標を達成したからといって、温暖化が食い止められるわけではないんじゃ。地球温暖化にブレーキをかけ、地球の気候を安定した状態にするためには、もっと高い目標に向かって努力を続けていくことが必要じゃし、何よりも世界の国々が協力して取り組んでいくことが大切なんじゃ。
洞爺湖サミットって?
京都議定書って?
洞爺湖サミットって何なの?
世界の主な国々の代表者が毎年1回集まって、世界のいろんな課題について話し合う会議のことを、サミット(主要国首脳会議)と呼んでおるんじゃ。アメリカ合衆国、カナダ、イギリス、フランス、ドイツ、イタリア、ロシア、日本の8カ国、それから欧州連合(EU)の代表がサミットに参加することになっておる。この重要な会議が、今年の7月に日本の北海道洞爺湖で開催されるというわけじゃ。
今回のサミットでは、地球温暖化が重要なテーマになんだって聞いたよ。
サミットではいろんなことが話し合われる予定じゃが、その中でも地球温暖化は大きなテーマになっておる。京都議定書では、温室効果ガスを減らす義務を負っている国は一部に限られとるし、削減の目標も十分なものとは言えん。そこで、京都議定書のあと、世界の国々が力を合わせて地球温暖化に取り組んでいくためにどういうしくみをつくったらいいか、今から真剣に話し合う必要があるんじゃよ。
洞爺湖サミットでは、どんなところに注目したらいいの?
京都議定書への参加をやめてしまったアメリカ合衆国や、温室効果ガスの排出量が増えている中国やインドを含めたたくさんの国々が地球温暖化防止の取り組みに参加するしくみをつくるために、前向きな話し合いが行われるかどうか。そしてその結果、これからの地球温暖化防止のしくみについて見通しが立つかどうかが注目したいポイントじゃな。そのためにも、サミットを開催する日本がしっかりとリーダーシップを発揮することが求められておるんじゃよ。日本のリーダーシップにも注目じゃ。