![]() 2002年「ウミガメと少年」2003年「凧になったお母さん」 2004年「小さな潜水艦に恋をしたでかすぎるクジラの話」 2003年には放送界のピューリッツァ賞と言われる『ピーボディー賞』を受賞した「戦争童話集」シリーズ。 今年、終戦60年という節目の年に選んだ作品が「ぼくの防空壕」です。 出征中のお父さんが作っていった小さな防空壕の中。少年は空想の中でお父さんとともに遊び、ともに敵兵を倒す。 しかし、お父さんは戦場に倒れ、やがて防空壕がつぶされるとき、少年は一体何を感じるのか。 そして、この戦争の意味とは・・・。 原作は「火垂るの墓」ほか数々の著書で知られる直木賞作家・野坂昭如。 画は世界で活躍中のイラストレーター黒田征太郎。 ![]() 平和な現代の公園。一人の老人がブランコに乗ってたたずんでいる。心ここに有らずのようだ。 どうやら、この公園は彼の家の跡地に出来たようである…。 六十数年前の日本。空襲警報が鳴り響く。雄介は母の友子とともに家の中の防空壕でB-29が行き過ぎるのを待つ。やがて爆音は通りすぎ、母は防空壕を出るが、雄介が暗い防空壕の中に一人待っていると、父の哲雄の姿が浮かび上がって来る。父は出征中のはずなのに…。幻の父と話をする雄介。そこには先ほどの臆病な雄介ではなく、目を輝かせた雄介がいた。 雄介は友だちの洋平とともに街へ行ってみると、街は空襲で全滅していた。 雄介は不安になるが、友子はお父さんが作ってくれた防空壕だからと励ます。 その防空壕は、数カ月前に父が作ってくれたものだった。 ある日、学校から帰ると、父が防空壕を掘っていた。父と一緒にいられるのがうれしくて、雄介も共に防空壕を掘り始める。哲雄が今、防空壕を掘り始めたのは、哲雄に赤紙が来たからだ。家族のために出来ることは、空襲から守るために、防空壕を掘ることしかないのだ。悲しい哲雄。しかし、雄介のとっては父が出征して、アメリカと戦うことは、誇りでもあった。 そして哲雄の出征の日。町内の人たちに見送られながら、雄介は誇らしげに手を振って出かけていった。 …数ヶ月後。雄介が遊びから帰ってくると、ラジオから大本営発表が聞こえる。サイパンが陥落したのだ。B-29の編隊も頻繁に近くまで飛んでくるようになった。母と二人で防空壕に入る雄介。薄暗い壁の中から、ふたたび父の姿が浮かび上がってくる…。 ![]()
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