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『激論!「新たな戦争」の時代か?
=20世紀最後の年、それはデジタルの年……=

2000年へのカウントダウンが始まりました。この2000年の持つ意味は、 いわゆるY2K問題や1000年に一度の数字の巡り合わせとは違った点で、私た ちの想像以上に重いものがあるようです。
それは、端的に言えば2000年が(これから果てしなく続くことが確実に予測 される)これまでの歴史の常識からは想像を超えた情報戦争の時代のスタートの 年、つまり"情報戦争元年"になるという意味においてです。そして、2000年 以降の世界が例外なく情報の嵐に巻き込まれることは疑いようがありません。情 報そのものが新しい時代の兵器となるということ、そして、その使い方に劣った 者が敗者になるという、これまでの常識がまったく通用しない新しい価値観の世 界に入ることになる予感がします。そのヒントについて歴史を少し振り返ってみ たいと思います。

20世紀も残すところ10年とわずかになった年(1989年)、その後の世 界の動きに大きな影響を与えることになった大事件が続いて起きました。中国の 天安門事件、東欧革命の連鎖とベルリンの壁の崩壊、そしてレーガン、ゴルバチ ョフ、米ソの二大首脳によるマルタ会談などがそれです。ベルリンの壁崩壊とマ ルタ会談は東西冷戦に支えられた戦後体制を解体させ、90年代以降、今日まで の世界を劇的に変革させる主要因となりました。
そして、これらを強力に推進させるキーになったものが、思想、理念というそ れまでの世界の潮流の主流とされたものとは違う別の新しい概念だったように思 えるのです。そのキーが、情報ハードの驚異的な発達とそれによって送り出され る膨大な(操作された)情報そのものだったのです。
90年代に入り、湾岸戦争、ソ連邦の解体、NATOの再編、ユーゴ、コソボ問題、 アジア通貨危機、そして、日本の金融不安、大不況とアメリカ経済の大活況…、 多様な事件、現象が起こり、そのことが日本と日本人の生活を根底から大きく揺 るがしています。
これらは、私たち日本人にとって一見無縁に見えるようで、実はいづれも深く関 わり合い、更にそれを深めようとしていることは、今や周知のこととなっていま す。
その深層に流れ、全体を突き動かしているものの最大のキーのひとつが、先述の 情報ハードの飛躍的な発達と、そこから創出される大量で高度な情報そのものだ と言えます。冷戦時代の・ ・ ・ ・ ・使えない核、軍事力に代わり、世界中を 瞬時に駆けめぐり、高度な技術と数学を基に操作される情報は新しい時代の核兵 器にも比喩される存在になっと言えるでしょう。
冷戦時代の西側から東欧への情報流入、湾岸戦争に於ける衛星などによるイラ クの情報入手と、米軍のマスコミへの情報操作、巨大な通貨操作による国そのも のへの経済の破滅的な影響力。そして日本へのグローバルスタンダードという怪 物=実は情報による金融操作?による介入が、今、音をたてて日本と日本人の生 活を変えている姿をみるとき、改めて現代の情報が持つ力のすさまじさを痛感せ ずにはいられません。
いま、Y2K問題として2000年を大騒ぎのうちに迎えようとしている まさに、 このことが2000年の持つ意味をシンボリックに表しているといえます。
2000年以降の地球に生きる私たち人類がコンピューターをシンボルとする情 報そのものと対面せざるを得ないことの何よりの証左と言えないでしょうか? 情報が核に代わる兵器となる時代に私たちは既に生活していることを改めて直視 せねばなりません。
日本は情報の使い方が下手だと言われてきました。第二次大戦中も、そして90 年代も金融競争に於ても、日本はまさに情報戦に敗けて来たことが、今の惨状を 招いた一因と指摘されています。
情報が兵器として使われることを考える時、その恐怖は想像を超えます。思想 や理念がその影響力を持つためには一定の時間と多くのエネルギーを要しますが、 コンピュターに駆使され、発せられる巨大な情報は瞬時に世界を巡り一人歩きを するのです。アジアの金融不安や日本のそれで、私たちはその恐怖を知らされた ばかりです。たぶん、膨大でクールな情報の(時として意図的な)跋扈は私たち 日本と日本人の常識と通念、価値観を軽く超えて私たちにこれまでとは違う考え 方を持たざるを得ない状況に追い込んでくるでしょう。
私たちは、まさに未体験の経験と対峙せざるを得なくなったようです。日本の生 活や労働感、家族のあり方から国家観と国民意識…それらすべてを根本から考え 直す必要に迫られるのかも知れません。

2000年はそうした時代の始まりの一年となる認識を持つことからスタート したいと思います。しかし、徒に不安におびえ立ちつくすわけにも行きません。 90年代の混迷から立ち直り、新しい時代へ、希望と再生をはかるためにも、こ の情報戦争に勝ち残るための挑戦を試みたいと思います。

「朝まで生テレビ!」は、14年目に入り初めて元日の特別番組を企画しまし た。この  2000年の年に、この企画をもてることは幸運なことです。番組 では日本と日本人の希望と新たな出発の2000年を語るにふさわしい時代のキ ーパーソンをそろえ、新年初頭にテレビの新しい魅力をアピールしたいと考えま す。






=Panelist=

司会進行 :田原総一朗

進 行 : 渡辺宜嗣・丸川珠代

パネリスト:

 石原伸晃   自民党・衆議院議員
 枝野幸男   民主党・衆議院議員
 岡田斗司夫  作家、評論家
 金子 勝   法政大学経済学部教授
 高野 孟   ニュースレター「インサイダー」編集長
 田中康夫   作家
 堀 紘一   ボスト ンコンサルティング グループ社長
 舛添要一   国際政治学者
 宮崎哲弥   評論家
 宮崎 緑   キャスター
 森本 敏   野村総合研究所主任研究員
 山田厚史   朝日新聞経済部編集委員
 和田秀樹   精神分析医
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表紙

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