10月のテーマ・パネリスト ntitle2.gif (1328bytes)

『激論!東海村"臨界"事故と原子力の未来』
=世代を越える目に見えない力……=

先月30日に東海村核燃料加工施設で起こった日本初の臨界事故は、日本中を 震撼させ、世界中に大きな衝撃を与えました。事故の状況については、発生直後 から情報が錯綜し、未だに、「そこ」で「なに」が起こったのかは、技術的にも 完全に明らかになっておらず、様々な疑問が投げかけられています。

事故の原因が"想像を絶する愚かな作業ミス"によるものであったとはいえ、起 こしてはならないと言うよりは、およそ起こるはずのない事故が起こったわけで、 その意味からも技術立国ニッポンの面目は丸つぶれといったところです。
しかし、技術的な問題もさることながら、やはり、95年に起こった高速増殖 炉「もんじゅ」におけるナトリウム漏れ事故の際にも指摘されたように、今回の 事故でも監督官庁の安全審査、管理体制のあり方が大きく問われる必要があるで しょう。なぜ、民間の事業所とはいえ、高濃度の放射性物質を扱う施設で今回の 様なずさんな作業工程、設備が放置され、安全設備などの点検が一切なされなか ったのでしょうか?また事故対応についても、国と自治体との連絡が不十分だっ たことが問題になりましたが、日頃どのような対策、訓練が行われていたのでし ょうか?国や監督官庁と民間核関連施設との事故連絡関係、対応の協力関係など はどの様になっているのでしょうか?そして、なにより、今後この様な事故を起 こさないためにも、どの様な対策が必要で、またなされる予定なのでしょうか?  今回の事故が、日本のエネルギー政策、原子力政策に与える影響は、多大なも のになることでしょう。このような事故が起こる度に、私たちの将来のエネルギ ーとして果たして「原子力」というものがふさわしいのかと言った議論が巻き起 こります。先進各国が原発から撤退する方向にある中、日本の原子力政策の方向 性に疑問を投げかける声もあります。しかし、今では全体の3割以上の電力が原 子力発電に依存しているという現実を考えれば、全面的に原子力エネルギーを否 定すると言うことは、もはや現実的ではないという指摘もあります。果たして私 たちの未来のエネルギーはどうあるべきなのでしょうか?

このような事故が決して再び起こってはならないという思いは、原子力エネル ギーを推進するしないに関わらず同じだと思います。その意味からも今回の事故 について、様々な角度から議論を尽くし、後世にその教訓を残すと言うことは大 切な作業だと思われます。「朝まで生テレビ!」では、1988年7月と10月 の2回に渡って「原発の是非」と「原発・文明の選択 繁栄か破滅か」を放送し、 多くの反響を呼びました。あれから11年、あらためて東海村臨界事故が提起し た問題を入り口に、これからの日本の原子力政策が、またエネルギーが、どうあ るべきかと言った問題に至るまで、広く専門家の皆様も交え徹底討論してみたい と思います。






=Panelist=

司会進行 :田原総一朗

進 行 : 渡辺宜嗣・丸川珠代

パネリスト:

 アイリーン・美緒子・スミス 環境ジャーナリスト,グリーンアクション
 明石昇二郎  ルポライター
 石川迪夫   原子力発電技術機構特別顧問
 荻野晃也   京都大学工学部原子工学科助手・理学博士
 加納時男   自民党・参議院議員,元東京電力副社長
 木元教子   評論家・原子力委員会委員
 久保寺昭子  東京理科大学薬学部教授<放射線>
 齋藤伸三   日本原子力研究所・東海研究所所長
 竹村英明   元グリンピースジャパン
 槌田 敦   名城大学教授
 藤井靖彦   東京工業大学原子炉工学研究所長
 吉井英勝   日本共産党・衆議院議員
+

+
+

表紙

All documents, images and photographs included in this site are owned by TV-Asahi.
For any purpose, using them by others are strictly prohibited.

Copyright(C) 1995-1999 Asahi National Broadcasting.