去る2月27日、オウム真理教事件の関わった一連の事件について、
教祖である麻原彰晃こと松本智津夫被告に死刑判決が下されました。
95年の事件発生から実に9年もの時間を経ての一審判決です。
被害者にとってはやっとたどり着いた一里塚ではありますが、
残念なことに、事件は、多くの国民にとって過去のものとなりつつあります。
そのような抗うことの出来ない時間の流れの中にあっても、「オウム事件」が、
時代を超えて、今を生きる私達に問い掛けてくる問題があるのではないでしょうか?
一連の事件が凶悪かつ残忍で、そのもの自体の正否は議論以前の問題です。
しかし、「オウム事件」が、私達の社会に投げかけた問題については、
きちんと考え直すこともまた、必要なことであると思われます。
「特異な集団」が起こした極めて「特異な事件」として、
私達一般市民の生活する社会と切り離してしまうことは、
問題の本質を見誤ることに繋がると思われます。
若者が世の中に対して抱く不満や不全感が、
ゆがんだ形で発露すると、とんでもない結末を迎えてしまうということが、
「オウム事件」の示したところでしょう。そして、
「オウム事件」からさかのぼること23年前にもやはり、
同様の問い掛けを世の中に突きつけた事件がありました。
いわゆる「連合赤軍事件」です。
「オウム事件」当時にも、「連合赤軍事件」との比較対照はなされましたが、
時を経たいま、改めて二つの事件を検証し直すことは、
大変意義があると思われます。はたして、この二つの事件のどこが共通していて、
どこが違うのでしょうか?そして、今日、現在を生きる私達は、
この二つの事件を通じて得た教訓を、どのように「社会」にフィードバックしてきたのか?
その結果として、かような事件は二度と再び起こることはない、と断言できるのでしょうか?
今月の「朝まで生テレビ!」では、この二つの事件に関わった世代の方々を含め、
様々な分野から論客に集っていただき、事件から9年を経て、
改めて、「オウム事件」と今について徹底討論してみたいと思います。 |