■8月のテーマ・パネリスト |
田中真紀子氏の突然の議員辞職に際して、奇しくも野中広務氏が「『劇場民主主義』のツケだ」と所管を述べたとおり、今国会では「劇場化」する政治の是非が、ひとつの議論となりました。 加藤紘一氏、辻元清美氏、鈴木宗男氏、そして田中真紀子氏と、「国会劇場」の主要な「役者」は、小泉首相をのぞいて外は、すべてが舞台を降りた感じがします。もちろん、小泉内閣の成立にメディアが大きな影響を及ぼしたことは、多くの識者が指摘するところです。と同時に、先にあげた人々が舞台を去るきっかけを作ったのも、これまたメディアでありました。週刊誌の報道を、新聞、テレビが追いかけて、増幅して報道することにより、彼らは、国会で疑惑を追及され、議員を辞職したり、司直の手にかかったりしたわけです。メディアと政治の関係は、まさに、諸刃の刃といったところでしょうか? 政治とメディアのかかわりは古く新聞の時代から、いろいろと試行錯誤が繰り返され、今日的な形に落ち着いたといわれています。しかし、近年のテレビを中心とした政治報道の加熱ぶりは、政治とメディアのかかわりが別の局面を迎えつつあることの現われなのでしょうか? また、このようにテレビがニュースばかりでなく、ワイドショーなどでも政治を取り上げ始めたのは、1993年にはじまったいわゆる55年体勢の崩壊から、細川内閣成立の頃のように思われます。 しかしなぜ、そこまでお茶の間に「政治」が浸透していったのでしょうか?朝夕のワイドショーやニュース番組ばかりでなく、国会の予算委員会中継までが記録的な視聴率を記録するというのは、国民が政治的なことに関心を高めていることの現われなのでしょうか?劇場化する政治に対して、危惧を抱いたり、苦言を呈したりする論調も少なからずありましたが、果して、政治の劇場化は、私たち国民にとってメリットとなるのでしょうか?それともデメリットと成るのでしょうか? そこで、今回の「朝まで生テレビ!」では、「ワイドショー国会」とまで揶揄された通常国会も終わり、次の幕「内閣改造」「補欠選挙」が開くまでの幕間に、ワイドショー政治の功罪、テレビ、ひいてはメディアと政治の関係のあり方など、を改めて冷静に議論していきたいと思います。 |
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