■12月のテーマ・パネリスト |
2001年という年は、21世紀の行く末を占う年として、注目される年であったわけですが、その意味からすると、世界で、日本で、大変重要な出来事があった1年でありました。
まずもって、この一年を振り返るときに語られるべきは、9月11日のニューヨークを襲った「同時多発テロ」でありましょう。この事件は、アメリカはもとより、日本を含め全世界にとって、衝撃的な事件であったばかりでなく、人類が19世紀から20世紀にかけて、紆余曲折を経ながらも築き上げてきた近代文明と国民国家への挑戦であり、始まったばかりの新世紀の行く末に暗い影を落とすものでした。21世紀は、「南北問題」「宗教問題」などをきめ細かにケアーする新たな国際平和の枠組みが求められるのかもしれません。 一方、国内の出来事としては、やはり「小泉政権の誕生」が筆頭に掲げられる事柄でしょう。 小泉氏は「聖域なき構造改革」を掲げ、国民の圧倒的な支持を得て政権の座に就きました。従来の自民党政権では考えられなかった派閥にとらわれない人事は、とても新鮮に感じられ、国民の多くが彼の掲げる「改革」に、希望を見出した事でしょう。それは、小泉氏が、あえて「痛みの伴う改革」を国民に提示したにもかかわらず、その支持が揺るがなかったことにみてとれます。 しかし、事はそう簡単ではないようです。小泉氏が政権に就いてから半年が過ぎた現在「改革」の行く手には様々な障害が立ちふさがり、なかなか、国民の期待に応えるような成果には至っていないというのが現状です。その一方で、景気は更に低迷し、「痛み」だけが一方的に増しているような感じが国民の間に蔓延し始めています。しかし国民が本当に絶えなければいけない「痛み」まさにこれからです。「医療制度改革」「年金改革」「増税」などなどが政府や与党のなかで俎上に登り始め、「痛みに耐える」とは言ってみたものの、私たち国民としても心中穏やかでない年末年始になりつつあります。このままで2002年の国民の生活はどうなってしまうのでしょうか? このように、ここまでの成果はともかくとしても、国内問題の解決に期待が高まっていた小泉政権でしたが、奇しくも、先にも記した「同時多発テロ」によって、国際社会における日本のあり方をも、改めて問われることになりました。「新たな戦争」の時代に日本は国際社会の中でどのようなポジションを取り得るのか?取るべきなのか?そして、そのためになさなければならない事は何なのか?その際「憲法」はどうすべきなのか?などなど、「同時多発テロ」は、21世紀の日本のあり方を本質的に問う結果ともなったわけです。 そこで、今回の「朝まで生テレビ!」は、恒例になりましたが、大晦日の深夜から元旦の早朝にかけてのスペシャル版として、通常よりも2時間長い5時間の生放送とし、次代を担う若手政治家方々や、各界、各分野の専門家の皆さんにお集まりいただき、この一年と小泉政権のこれまでを振り返り、日本は、そして世界は、一体これからどのような時代に進み行くのか?そして私たち国民の生活はどうなるのか?などを徹底討論し、来る2002年を展望してみたいと思います。 |