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  Reported by 古澤琢


今年も梅が見頃を迎える2月半ばに15名のアナウンサーの卵たちが
六本木のテレビ朝日に集められました。

本当は学生最後のこの時期を使って卒業旅行や最後の思い出作りに
励んでもらいたかったのですが、そうもいきません。

実は彼らのほとんどが入社早々アナウンサーとして仕事を
バリバリしなければならないんです。
そんな差し迫った状況で「平成22年度ANN系列新人アナウンサー研修」は
始まりました。



研修責任者の松苗部長 
テレビ人としての心構えやコンプライアンスについての講義も担当してくださいました
 


研修幹事長の吉澤アナ
クールな眼差しの中に研修生への愛アリ
 


研修チーフの川瀬アナ
頼れるアネゴは女性陣のよき相談相手


今年で幹事4年目の川島アナ
鬼軍曹のイメージか(笑)
 


そして同期のワタクシ
初の幹事に右往左往(汗)
 

彼らに与えられた期間は10日間、その限られた時間で社会人としての挨拶から始まり、
アナウンス技術を基本から応用まで身につけなければなりません。
これは本来テレビ朝日では数ヶ月かけて行う研修、それをギュッと凝縮して叩き込むためにはどうすればいいのか。

そうです、教え方は「体育会系」というよりむしろ「軍隊並み」といった方が
しっくりくるかもしれません。この10日間、教える我々は「鬼」になるのです。



とにかく毎日研修が終わったら「説教」タイムです

研修生のこの10日間の平均睡眠時間は3時間!だそう。
それほどに厳しく、過酷な研修でした。


開講式の様子「これから始まる地獄(?)を前に緊張する研修生たち

そして研修が始まりました。
まずは正しい発声方法。ここで腹式呼吸から腹式発声を学びます。
しかし、これが難しいんです。最終日までもがき苦しんでいる研修生も
多くいました。ただこれはアナウンサーとして基礎中の基礎です。
研修中はほぼ全員が定時より早く出社して自主トレを行っていました。


和田麻里先生の発声練習
体を楽器として使う名人です


ここではスーツからジャージに着替えて研修

最初の5日間は「あいうえおかきくけこ」の基本的な発音からニュースの読み方・
ナレーションまで。ここで研修生たちは自分がこれまで使っていた「日本語」が、
「共通語」としてはまったく使い物にならないことを思い知らされ、叩きのめされます。


だんだん喋るのが怖くなって
無口になる研修生が続出

画面を見て分かることがたくさんあります

そもそもニュースは「読む」のではなく「伝える」のだということを
ワイド!スクランブルの見学や報道現場のトップによる講義から
研修生たちは少しずつ実感していったようでした。


一言も聞き漏らすまいと真剣にノートを取る

なんせ昼ご飯の時間にも講師(今年は小木アナと松尾アナでした)を招いて
デジカメを回しグルメリポートの研修ですから、彼らには文字通り休む暇など
なかったのです。


箸の持ち方から喋る内容まで
「美味しい」以外の表現を探せ!!


ファーストインプレッションが大切です

口に入れる量は?最初のコメントは?

そして後半の5日間はマイクの使い方や情景描写、カメラを回してのリポート実習など
より実践的な内容に移っていきます。
できなくて当たり前、でもやらなければいけない中で
「できない自分を受け入れる」ということがなかなか出来ない研修生もいました。
注意され、またチャレンジして間違いを指摘されるという
やり直しのスパイラルが精神的にも相当応えたそうです。


ニュースの収録中
毎回本番のつもりで

他の人を見るのも勉強です

そして彼らの集大成、卒業制作にあたる「リポート実習」がやってきます。
実際の放送と全く同じ条件で行う生放送スタイルのリポート収録
ENGカメラと音声さん、照明も焚いて1分半喋り続けました。


収録は大画面で全員で見ます


気持ちで負けるな!最後まで伝えきれっ!!

画面では自分がどう見えているのかを知るのも勉強

「極限の精神状態でいったい自分は何を伝えられるのか」
「喋ることを飯の種にするということはどういうことか」
研修生は自分のVTRを見てそれぞれ思いを新たにしたのではないでしょうか。
今出来なくたっていいんです。会社に入ってアナウンサーとして恥をかかないために
今、恥をかくんです。研修幹事の諸先輩方は口では厳しいことを言っても
みんな心の中では「頑張れ!!」と応援していました。


温かい眼差し


言われたことは忘れないように

10日間の研修を終えて、研修生たちは旅立っていきました。
10日間でどこまで上達できたかは人それぞれですが、
間違いなく研修前より「腹をくくったぞ」「アナウンサーとして生きていくんだ」という
決意がみなぎっているように見えました。


研修を終えてホッとした表情の研修生たち

ではその「腹をくくった」精鋭15人を「北から」ご紹介します。


 
青森朝日放送(ABA)
落合由佳


「視聴者の皆様に伝えるために・・・」
この当たり前であるはずのことを、実践することが難しく思い悩んだ二週間でした。
良いアナウンサーになろうとする前に、相手の立場でモノを考えられる
素敵な人になれるよう、これからも努力して参ります!



岩手朝日テレビ(IAT)
塚本京平

厳しく辛い2週間でした。それでも「このままでは終われない!」という気持ちで最後までやり抜きました。技術以外にも社会に出る責任を教えられ、かけがえのない友もたくさんできました。実力も覚悟もまだまだですが、4月から岩手で必死に頑張ってきます!



山形テレビ(YTS)
飯塚智紀


アナウンサーである以前に社会人としてどうあるべきか、今回の研修で一番に学んだことです。先を読んで行動をする、常に謙虚でいる、私には足りないことばかりでした。「社会のなかにいる自分を、客観的に見る目」を養うことの大切さを学んだ二週間でした。



山形テレビ(YTS)
佐々木真奈美


研修中は、自分が考える「こんな声が出したい!こんなアナウンサーになりたい!」などの理想に近づけない悔しさや、研修に参加できることへの喜びや感謝、色々な思いに涙した二週間でした。今感じているこの気持ちを絶対に忘れずこれから仕事に臨みます。



福島放送(KFB)
千原礼子

これまでの自分を見つめ直すことができました。
悔しい気持ち、そして向上心は今後も忘れずにいたいです。
厳しく、暖かくご指導下さった講師の皆様、ありがとうございました。
“伝える”気持ちを常に持ち、大胆にチャレンジできるアナウンサーになりたいです。



新潟テレビ21(UX)
高橋美穂


自分の考えの甘さ、未熟さ、無力さを痛感した2週間。
出来ない自分と向き合うたびに、悔しくて、情けなくもなりました。
必死でもがいて悩んだ日々を、無駄にはしません。
「人の心に言葉を届ける」そんなアナウンスを目指して、精一杯頑張ります!



静岡朝日テレビ(SATV)
高橋圭太

『日本で最強の研修』。その所以を理解した。二週間で体重が3キロ減、1時間睡眠。しかし、体育会系研修だから、『最強』という意味ではない。『自分の持てるモノを全て駆使して、心でお伝えすること』。その魂を注入して下さった。そこが『最強』だった。



静岡朝日テレビ(SATV)
広瀬 麻知子


この厳しかった2週間、悩んで落ち込んでウルウルする事もありましたが、14人の仲間に支えられ、励まされ、乗り越える事ができました。
研修が終わった今、充実感でいっぱいです。
不器用な私ですが、着実な亀の歩みを忘れずに頑張ります!



静岡朝日テレビ(SATV)
森直美

「伝える」ということを本気で考えた2週間でした。
 いくら考えても答えは見つからなかったけれど、たくさんのヒントをいただきました。
とにかく基本中の基本である発声・滑舌練習をしっかりして、伝えることのスタートラインに立ちたいと思います。



山口朝日放送(yab)
冨田和

大学生活で最も充実した2週間でした。アナウンサーに必要なアナウンス技術はもちろん、それ以上に社会人として、人としてどうあるべきかを沢山教えていただきました。また、最高な仲間もできました。この仲間とこれからも切磋琢磨していきたいです。



瀬戸内海放送(KSB)
北村実穂

日本一のアナウンス研修は、「伝える」ことにこだわった2週間になりました。何一つ聞き逃せない内容ばかりで、貴重な毎日でした。私自身のプロになる意識の甘さを痛感しましたが、この研修を受けられたことを大きな自信に変えて、第一歩を踏み出せます。



瀬戸内海放送(KSB)
早川茉希

これまでの人生で最も濃い2週間でした。完璧なカリキュラムの中で、日々発見・感動・反省の毎日。技術面の指導を始め、社会人としての行動や心得まで学び、気持ちが一気に引き締まりました。2週間の教えを基に、同期と共にこれからも切磋琢磨していきます。



九州朝日放送(KSB)
加納有沙

「伝わる」ってなんだろうと考え続けた2週間。
皆さんに「伝えたい」という気持ちを素直に声に乗せればいい。
口でいうと簡単でも、いざやってみると上手くいかず、歯痒く、悔しい思いでした。
研修での学びを活かし、飾らない素直なアナウンサーを目指します!



熊本朝日放送(KKB)
松原大祐


「話す」ということについて人生で一番考え込んだ二週間でした。
私たちの仕事は普段のおしゃべりの延長線上にあるという言葉を胸に、もっともっと喋ることを好きになって「視聴者に伝わるアナウンス」ができるよう、熊本でも日々努力して頑張っていきます。



鹿児島放送(KKB)
櫻井譲士

自分の声と真正面から向き合った10日間。
最初は、早く終わってくれと思っていたが、いざ研修が終わってしまうと急に寂しくなった。
こんなにも充実した10日間は今までになかった。
この研修の中で、講師の方々から貴重なアドバイスを頂いた。
それをもとに、「読み手」ではなく「伝え手」として、1歩1歩成長していきます!




☆過去のANN系列新人アナウンサー研修の模様はこちら☆
2009年度
2008年度
2007年度
2006年度
2005年度
2004年度フォローアップ研修
2003年度
 
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