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武内絵美 |
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それではお先に失礼いたします。 |
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飯村真一 |
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お疲れ様。武内、明日から夏休みだね。 |
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吉澤一彦 |
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ああ、夏休みなんだ。どこかへ行くの? |
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武内絵美 |
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はい。香港へ行ってきます。 |
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吉澤一彦 |
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いいねえ。いつから行くの。 |
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武内絵美 |
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はい、今日からです。これから成田へ直行するんです。 |
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吉澤一彦 |
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成田へ直行って…早朝勤務を終えてその足で? |
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武内絵美 |
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はい。これから全日空ホテルから出ているリムジンバスに乗るんです。 |
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吉澤一彦 |
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ええっ?手ぶらでいくの?荷物はないの? |
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飯村真一 |
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いつもと同じ格好だよね。 |
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武内絵美 |
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父が持ってきてくれるんです。 |
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吉澤一彦 |
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父って…武内、お父さんに荷物を運ばせちゃだめだよ。 |
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武内絵美 |
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私もそう思って、自分で持っていこうとしたら、父が、持ってきてくれるって言うんですよ。むげに断るのもどうかと思ったので、頼んじゃいました。 |
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宮嶋泰子 |
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武内さんのためなら、お父さんは何でもやってくださるのよね。いつも本当に娘思いなんだから…それじゃあ、気をつけて言っていらっしゃい! |
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武内絵美 |
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それでは、行ってまいります。お疲れ様でした。 |
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吉澤一彦 |
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そうなんだ…。最近は本当に親が子供のためにいろいろやるのがあたりまえなんだよね。うちの子も昨日から林間学校なんだけど、荷物が多いからって、ほとんどの親が車で現地まで送っていっているんだよね。俺は絶対にしないぞ。朝なんて、起こされても、俺は絶対に起きないもの。 |
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宮嶋泰子 |
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20年間、朝3時起床の生活が続いたから、「やじうま」が終わって惰眠をむさぼれるのことが今は最高の快楽なんじゃない? |
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吉澤一彦 |
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いや、そうでもないけど、娘のために朝早く起きて、何かやってやるなんて…俺はいやだな。 |
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宮嶋泰子 |
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どうだか。今お嬢さんおいくつでしたっけ? |
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吉澤一彦 |
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中学校1年生。 |
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宮嶋泰子 |
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あっという間に「花嫁の父」になって、複雑な気持ちになる日がやってくるんじゃない?うちの父なんて、別に結婚に反対だったわけでもないのに、結婚式当日の朝、「式に出んぞ」なんて駄々をこねて大変だったんだから。 |
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飯村真一 |
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そうですか、花嫁の父ね…娘を取られるような、身を削られるような気持ちなんですかね。 |
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吉澤一彦 |
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飯村、20年なんてあっという間だぞ。飯村のところも子供が生まれたばっかりって安心してると、すぐ花嫁の父になっちゃうよ。 |
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飯村真一 |
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いや、うちの赤ちゃんは男ですから、今のところその心配はないです。でも、娘をもって、さみしい父親の気持ちっていうものも味わってみたいですね。 |
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吉澤一彦 |
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おっ!飯村、早くも第二子、子作り宣言か。がんばれよ。 |
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