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reported by  
  宮嶋泰子
7月17日の競技のリポート

いよいよ競技が始まりました。
初日はデュエットのテクニカルルーティーンとフリールーティーンの予選。

この私宮嶋は日本からの強い要請もあり、この日も北朝鮮選手団ウオッチャーと化したのでありました。

競技の最初の種目テクニカルルーティーンは11時から。
日本の鈴木絵美子・原田早穂選手は会場一番乗りで、朝7時にはジャンドラポウ公園に姿を見せていました。今回一緒に取材をしている小谷実可子さんによれば、日本の選手は伝統的に会場に一番乗りで試合にのぞむとのこと。
「私たちのころからずっとそれだけは変わっていないんですね。気合を入れるっていう感じですか。気分の問題ですけれどね・・・」
なるほど・・・そういえば立花・武田の二人もいつも一番乗りでしたね。
 

競技開始3時間前の8時になると、曲をかけて各国のリハーサル練習が開始されました。
各国一曲ずつ自動的に曲がかけられ、順番に練習をしていきます。
デュエットに出場するのは33カ国。
プールが色とりどりのスイミングキャップで華やかになっていきます。

ところが北朝鮮は待てど暮らせど姿を見せません。

とうとう19番目の北朝鮮の曲がかかりリハーサルが始まってしまいました。
一体どうしたというのでしょう。
曲に合わせて演じる選手が現れず、プールのセンターは空いたまま。

丁度そのとき、選手入場ゲートに荷物を持って現れたのが北朝鮮選手団のチームリーダー。
会場に入るなり、自分たちの曲のラスト部分が鳴り響いているのを耳にし、さらにはプールにほとんどの国の選手が集い、練習に集中しているのを見て、瞬時に異変に気づいたようでした。

大慌てで、もどっていく後姿・・・・

その5分後でした。
明らかに顔色がかわっている金日成バッジを胸につけた通訳が大会関係者を捕まえて交渉を始めました。
しかし、国際水泳連盟が主催するオフィシャル大会では、よっぽどの正当な理由が無い限り、公式練習時間を変更することはありません。

結局ごねてみたものの、通らず、北朝鮮チームはリハーサルなしで本番を迎えることになってしまったのです。

何も知らされていない選手たちはプールに入ってウォーミングアップのために泳ぎ始めます。他の32カ国は既にウォームアップを終え、曲をかけてのリハーサルも終え、最後の技術チェックを行っているというのに、北朝鮮のデュエット選手はただひたすら泳いで体を起こしている状態なのです。
本当にかわいそうな選手たち・・・・・。

おそらく選手団のリーダー、コーチは試合の4時間前からプールで練習ができることを知らなかったのでしょう。これは必ず大会最初のミーティングで通達されることですが、それをきちんと把握していなかったものと思われます。
選手団のリーダーのチェックミス、国際試合のルールを知らなかったゆえに起こったミス。
結局、曲をかけて練習を一度もしないまま本番に突入。
デュエットテクニカルルーティーンの演技を20位で終えた選手たち。
本番終了後のインタビューゾーンでも、
選手たちは話をしようとしているに、後ろからコーチが 「早く来い」と呼んで、インタビューを受けることを阻止。
「予選終了後」と言い残して、更衣室に姿を消してしまったのです。もっとも北朝鮮では上層部の許可がない限り、インタビューに答えるということは許されないことだとか・・・・
ああ、世界水泳大変なスタートになってしまいました。
午後行われたデュエットのフリールーティーン予選とあわせて北朝鮮は19位。決勝に進めるのは上位12チームなので、この段階で、デュエットでのキムペアーの演技は終了してしまいました。

北朝鮮情報ばかりになってしまいましたが、日本の二人こちらもスペインと大接戦。どうなるか全くわからない大変な戦いをおこなっております。
午前中のテクニカルルーティーン

■日本
EX: 9.7  9・7  9.6  9.6  9.6
OI  9.7  9.8  9.7  9.7  9.7 

■スペイン
EX:  9.6  9.8  9.7  9.7  9.5
OI  9.6  9.7  9.6  9.7  9.8

ジャッジ
Excution           1:オーストリア、2:ブラジ、3:スペイン、4:カナダ、5:ドイツ
Overall impression    1:エジプト、2、オーストリア、3:イタリ、4:メキシコ、5:日本 


今年に入っての国際大会ではスペインに二敗していた日本のデュエットですが、何と、最初に行われたクニカルルーティンではスペインに0.001の差でリードをしたのです。この僅差。しかし日本がリードです。
そして、午後行われたフリールーティンの予選

■日本
TM  9.8  9.7  9.7  9.9  9.8
AI   9.7  9.7  9.7  9.8  9.7

■スペイン
TM:9.6  9.7  9.6  9.8  9.7
AI: 9.8  9.8  9.8  9.7  9.8

ジャッジ
Technical merit 1:日本、2:エジプト、3:メキシコ 4:チェコ 5:スウェーデン
Artistic impression 1:カザフスタン、2:スイス、3:ブラジル、4:米国、5:ロシア


なんとなんと、このフリールーティンの得点は日本とスペインが同点になったのです。
テクニカルルーティンとこのフリールーティンの得点をあわせて、上位12チームが決勝にすすむので、そのランク付けでは、日本は日本が辛うじて2位、スペインが3位という形になりました。
正直この先目がはなせません。

    
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