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Reported
by
宮嶋泰子 |
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トッカータとフーガの曲にのり、今までのシンクロの概念を破る「風とバイオリン」の演技。
止まらずに、流れるように動き続ける二人のシンクロナイゼーション。
ロシアの20歳、エルマコワとダビドワはまるでマシーンのように正確に技を刻みます。
一方の日本はダンスのように伸びやかな流れるような芸術的な動きを大きなテーマにしています。
フランス人のステファン・メルモン氏の振り付けは、これまで全くやったことのない筋肉を伸ばしながら、動きの美しさで感動を相手に伝えようというものです。
これほど、世界のトップを争う二つの国が両極の演技をするというのは過去に例がありません。
マシーンのような正確さとダイナミックさのロシア。繊細で過去例を見ない流れれう動きの美しさを追及した日本。
シンクロナイズドスイミングというのは、曲の持つリズムにあわせて、動いては止まり、動いては止まりという動きを繰り返すことで、複数の人の動きを合わせていくものです。今回は、その動いては止まりの、止まる部分をなくそうと言う試みなのです。
ゆっくりと止まらないまま、二人の動きを合わせるのは至難の業ではありませんでした。
これまでのシンクロの常識を破る日本の演技に対しては、予選の時は戸惑う審判も多く、得点にばらつきがあったのですが、決勝では、評価も安定してきたようです。
先にロシアが演技をして、芸術点で10点が5つもでてしまった直後に日本が登場です。
曲がなると、シーンと会場が静まり返り、観客の視線が二人に集中していくのがわかりました。
ジャッジの評価よりも、観客を感動させることを考えなさいというステファンの最後の言葉。
そして、井村コーチの「魂を入れて泳ぎなさい」と言う言葉で送り出された立花美哉と武田美保は渾身の演技を見せてくれました。
打倒ロシアを合言葉にして新しいものを目指してきた戦いは、結果としてはロシアにやぶれたものの、たくさんの成果を二人に残してくれたようです。
「よくやった。本当によく泳いだ」と井村コーチも満足げ。
「新しいことに挑戦してきた時間は本当に楽しく充実していました。」と言う井村コーチの言葉どおり、涙の後の二人の表情は本当に輝いていました。
この財産はまた次のアテネに向けて大きく生かされていくことでしょう。
それではここで得点をご紹介しておきましょう。
T.M. |
9.9 |
9.9 |
9.9 |
9.9 |
9.9 |
A.I. |
10 |
10 |
10 |
10 |
9.9 |
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T.M. |
9.8 |
9.8 |
9.8 |
9.8 |
9.8 |
A.I. |
9.9 |
9.9 |
9.8 |
9.9 |
9.8 |
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※審判構成 |
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T.M.
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1審ブラジル |
2審米国 |
3審オーストリア |
4審スイス |
5審スペイン |
A.I.
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1審コロンビア
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2審エジプト |
3審イタリア |
4審ロシア |
5審スウェーデン |
今回、中継のため走り回っていたので、残念ながら日本の演技の写真がありませんが、演技後の様子などご覧ください。
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