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7月18日--ソロ決勝 水の女王にデデュー
Reported by 宮嶋泰子
オリンピックにはソロはありません。
ソリストにとって自らの集大成の場でもある世界水泳。
今回は、フランスのビルジニー・デデューのための舞台となった感がありました。

シンクロの技術をさらに高め、芸術的な美しさや表現を追及し、そこに水があることすら忘れさせてくれるデデュー。
2年前の福岡では「黒猫」を演じ、昨年はムーランルージュの曲で女性のマリア性と娼婦性を演じわけ、見るものをぞくぞくさせたアーティスト。
今年は女性彫刻家カミーユ・クローデルの内なる世界を見事に演じきりました。
創作への情熱、苦悩、狂気、それらがデデューの体をとおして我々に訴えかけるのです。

演技を終えた瞬間、会場にはりつめたデデューを見つめる静かな空気が、ほぐれ、割れんばかりの拍手と変わりました。
国境を越えてやってきた応援団でしょうか、フランス国旗を振る観客の何と多いことでしょう。
こんなに人をひきつけてやまないソロをはじめてみたような気がします。
得点はテクニカルメリットで10点が2つ。そして芸術点では5人の審判全員が10点を出したのです。
演技を終えた彼女は満足からか涙さえ浮かべていました。
フランスにもたらされたオリンピック世界選手権を通じての初の金メダル。
デデューの名前は永遠にシンクロ界に刻まれることでしょう。

そして、日本の立花選手にとっても大切な試合でした。
日本選手権で9連勝。これが国際大会で披露する最後のソロでした。
持ち点ではスペインのメングアルと並んで3位。
「助太刀や助六」のジャズのリズムをうまく使って独特の世界を演じます。
今日は予選の時よりも切れがあり、良い演技でしたが、本人は「後半ちょっとつかれました」とのこと。
立花さんの演技は、彼女なりによかったと思うのですが、その後に演技をしたスペインのゲンマ・メングアルがすごかった!


観客の声援を受け、これまで見たことのないような、一つ一つがメリハリのある見事な動き。
得点で、立花選手を上回り、銅メダルを獲得しました。
3大会連続のメダル獲得を狙った立花さんですが、残念なことに4位に終わりました。

1位:ビルジニー・デデュー(フランス) 99.251

2位:アナスタシア・エルマコワ(ロシア) 97.417

3位:ゲンマ・メングアル(スペイン) 97.334

4位:立花美哉 48.500

さあ、明日はデュエット決勝です。日本がフランス人振付師ステファン・メルモン氏とともに作り上げてきた世界を披露してもらいましょう。

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