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7月15日--デュエットテクニカルルーティーン
Reported by 宮嶋泰子

さあ、いよいよデュエットが始まります。
2年前の福岡、パントマイムの演技で会場を沸かせ、シンクロに新たな世界を築いた日本。
その日本が再びチャンピオンの座を守るべくバルセロナで挑みます・・・・と威勢良く書いたものの、演技順を見てがっくりと言うのが正直な感想です。
採点競技では演技順が後になればなるほど有利と言われています。まあこういわれること事態審判が信用されていないと言うことでもあるのですが、審判も人間ですからねえ。
34組出場する予選で、日本が7番目に演技し、ライバルのロシアは何と、34番目の最後なのです。
サッカーではくじで決めるとき、あまりに都合の良いくじを引いた国に対して、「あの国が引いたボールは温められていたんだ」と言うんだそうです。
良いくじのボールは温度が違って、選びやすくしてあるということを、そう表現して、憂さを晴らすんだそうです。
今回本当にロシアのくじは温められていたんじゃないかとしか思えないほど、良い順番ばかりなのです。
まあ、この順番と言うのも、チームデレゲーションの代表が引くものなので、文句は言えないんですけれどね。

さて、その結果・・・・
7番目に演技をした日本の立花・武田の「sakura 2003」は素晴らしい出来でした。
会場も盛り上がり、見ていても胸が熱くなるようなパワフルな素晴らしい演技でした。

ところが何と・・・・
得点が出てもう、びっくり。
技術力をはかるエクスキューションでは

9.4 9.9  9.7 9.0 9.8

全体の構成の印象を図るオーバーオールインプレッションでは

9.7 9.8 9.8 9.8 9.8

得点:48.917

9.4と言う得点と、9.0と言う得点が出たのです。
それまで競技が始まってから6組が演技を終え、あまり上手でない国がほとんどだったこともあり、8点台や7点台の点が続いていたので、
審判が何か国を間違えたのかと思ったのですが・・・・
演技を終えた立花さんは、インタビューゾーンで、涙を流すし、武田さんは、何がなんだかわからないと言うように、興奮ぎみだし、
もう私もどうして良いかわからなくなりました。9.0と9・4ですよ。
「こんな得点、日本の代表になってから取ったことがありません。」
「何がもんだいなのか、わかりません。」
審判台の方では、井村コーチが何か大声で抗議をしているし、審判はノーノーと手を振っているし、何かが起こっているなと言うことだけしかわかりません。

そして、20分もたった頃でしょうか。
新しい情報が入りました。
9.0と言う得点はフランスの審判が出した得点だったのですが、これが9.8の誤りだったのです。
紙に書いて提出し、さらにコンピューターに数字を打ち込むのですが、このときに間違えたようなのです。
実はこれと同様の間違いが92年のバルセロナ五輪シンクロソロの優勝決定の時にも起こっているのです。
カナダのシルビー・フレチェットの得点にミスがあり、これが正式のものに変更されるまでにかなり時間がかかりましたが、シルビーは最終的に金メダルを獲得したのです。優勝争いがこのようなミスで水を差されるというのも嫌なものですね。
でもなぜ、同じバルセロナの同じプールで同じミスが起こるのでしょう。
私の独断と偏見で言えば、これは「暑さ」ですね。
気温は35度。ずっと座ってみていれば頭もおかしくなりますよね。

9.4と言う得点もよくわかりません。
たまたま横にいたロシアのポリャンスカヤコーチに聞いたところ、「この点を出したコロンビアの審判は、これまでの得点を見ても全くわけがわからない
いい加減な点を出しているでしょう。クレージーよ。」とさらりと言われてしまいました。本当に、しっかりしてくださいよ。審判様。選手たちはこのために一年間を費やしているんですから。

さて、最後に演技をしたのがエルマコワとダビドワのロシア20歳の二人です。
パワフルなテクニカルでこれまた、得点がぐんと伸びます。

E: 9.8 9.8 9.9 9.9 9.8

OI: 9.8 9.9 9.9 9.9 9.9 

得点:49.334

ロシアがわずかに日本をリードする形になりました。
それにしても、最後に演技を行うロシアのために9.9を空けておくと言うような妙な習慣が審判の間に広まっているとしたら残念ですね。

井村コーチは「なんだか、ヨーロッパ選手権に、日本と、アメリカとカナダが呼ばれたという感じで、日本はずいぶんいじめられているね」とおっしゃっておりました。何とか流れを変えなければ・・・・

フランスのデデューが頭ひとつ抜けて、あと、三人が大混戦。
立花選手は、テクニカルで課題となっている技術で小さなミスを犯し、このあとのフリールーティーンのできによって、銀メダルの可能性も、4位の可能性もあるという、波乱万丈のスタートとなりました。
さあ、このあと、午後からはデュエットのテクニカルルーティーンが行われます。

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