誕生日には毎年恒例の手作りケーキでお祝いしましたが、
そのあと、長女が、
「今夜は花火をしよう!たくさん残ってるし。」
というので、夏の締めくくりだと思い、花火をしました。
案の定、次女は「こ、こわい、こわい〜!!」と、
半歩ずつ、ジリジリ後ずさり・・・。
気づいたら3メートルほど後方に退いて、完全に固まっていました。
そんな妹に対し、お姉ちゃんは、
「さっき、ちいちゃんがお誕生日ケーキで
『ふーっ』っと消したのとおんなじだよ!怖くないよ。」
とやさしく教えてあげていました。
確か、長女も2歳のころは、花火を怖がっていたハズ。
あれから3年。すっかり立派なおねえちゃんになりました。
長女がそおっと、真剣に持つ、最後の一本の線香花火。
その儚くて優しい光の花に注がれる、みんなの視線。
「・・・やっぱり、線香花火が一番いいね。」
という大人たちの声を聞いてか聞かずか、
「やっぱりさあ、線香花火が一番だよね。」
と知ったかぶりの長女。
さっきまで半べそだった次女も、
「せんこはなび、だよねえ!」
と、とりあえず、力強くリピート。
秋めいた夜風に吹かれながら、
「さ、おふろおふろ!!」
と玄関のドアを勢いよく開けるおねえちゃん。
いつもきびきび、頼もしいけど、まだ5歳。
お姉ちゃんの後を追いつつ「おふろやーだー」と、
イヤイヤ甘えん坊、2歳のいもうとちゃん。
彼女たちが線香花火の本当の良さを、
物事の機微を知るオトナになるまで、
まだまだ、いくつもの夏を一緒に過ごすことになるだろう。
これから毎年、夏の締めくくりには線香花火をしよう。
そして、ひと夏ごとに確実に育っていく彼女たちを、
夏が終わる度、あのささやかで暖かな光に見届けてもらおう。
まだちいさな二人の後姿を見ながら、そんなことを勝手に決めたのでした。
来年は二人で楽しめるかな。
つぎの夏が、楽しみです。
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