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6月23日 素敵な低音の声の出し方、伝授します!
   上宮菜々子

私もこの春で入社5年目。
アナウンサーとして、いろいろな声色を使い分けながら仕事ができるようになることは、今でも目標の一つです。
元来声が細くて高く、キンキンになりがちな私としては、本当に遠くて遠くて仕方がない目標でし・・・

そんな中、私も知りたかったこんな質問が届きまして、今月はこちらにお答えいたします!!
「どのようにしたら、美しい低音の声が出るようになりますか?」  

低音といえばこの三人、田畑アナウンサー、下平アナウンサー、河野アナウンサーに聞きました!
なんと三人にはすごい共通点があったんです・・・

 

田畑祐一アナウンサー
小さな頃から身体が大きく、幼稚園でも集合写真は頭一つ飛び出た状態。
小学校では野球をやっていましたが、中学に入ってからは当時ミュンヘンオリンピックで盛り上がっていたバレーボールの道に進みました。
結構強い学校でしたので、練習もそれなりに厳しく、
何よりも大変だったのが「声出し」です。
練習中はとにかく大きな声を出し続けることが強要され、指示の声は勿論、返事や気合を入れるときの声も出来る限り大きな声を出すことを続けていました。
結局練習の日は2〜3時間大きな声を出しっぱなしの状態になります。
アナウンサーの研修並ですね。
試合になれば更にその声は大きくなり、ついには何度も声をつぶしてしまう破目に。
大会後は必ずと言っていいほど声が潰れ、しばらくはまともに話が出来ないくらいでした。
しかし時間が経てば自然に声も戻ってくるのですが、その声が段々低くなっていくんです。
今思えば、声帯を酷使して充血させ、更に酷使を繰り返すうちに、声帯が柔道選手の耳のようになってしまったのかも知れません。

かくして私の声は、天使のような高音部は失ったものの、悪魔のような低音部は一層地の底から響くようになり、どんなに酷使しても簡単には潰れない丈夫なものになりました。
偶然の産物ではありますが、私の低音はこうやって出来上がったのです。

もちろん会社に入って仕事をするようになってからは更に低音に磨きがかかりました。
それは声の出し方の意識の問題なんですが、声を出す方向を下に向かって出すんです。
高い声を出す場合は上の方向、つまり鼻の方向に向かって出す意識ですが、低い声を出すときには下顎に声をぶつけていく感覚です。
そして声の響きを身体で感じるようにして、より響く出し方を見つけていくことで、低いけれども良く通る声になっていきます。

田畑さんの低音はバリトンのように太く大きく、アナウンス部でもその存在は一際光を放っています。
映画の予告編の最後に流れる「カミング・スーン」といった低音の言葉、皆さんも聞いたことがありますよね?
田畑さんの低音には、そういう格好良いイメージがあります。
バレーボールで鍛えたことがその根底にあったとはびっくりしました!

 

下平さやかアナウンサー
まずはクエスチョンズ担当の上宮さんと、読んでくださるみなさんにお詫びです。
ソフトボールをやっている姿の写真がどうしても見つからなかったので・・・
球技大会でバレーボールに参加しているときのものを持ってきました。
文章と関係ないですね、すみません。
     
あらためまして、私がやっていたスポーツは「ソフトボール」です!
中学・高校を通して部活動で取り組んでいました。
屋外の広いグラウンドで試合や練習を行うソフトボールでは、大きい声をだすことは必須。

何10メートルも離れたチームメイトと声をかけあい、ときには相手チームを野次るために大声をはりあげ・・・。
そんなときにはおなかの底から声を出し、迫力たっぷりに(あるいはドスをきかせて)低音を響かせたほうがかっこいい!
当時からそんな憧れがあった気がします。

おかげさまで入社してからのアナウンス研修でも、「声が小さい!」と叱られることだけはなかったように記憶しています。

ただ、芯のある大きな声で話すことと、‘がなる’ことは違うんですよね。
ですから、今でも正しい発声法に関しては発展途上だと思っています。

いえいえ、写真、ありがとうございます♪
下平さんは学生時代、髪が長かったんですね〜
しかも足の長いこと!!
アニメ「アタックNO.1」をすぐに連想してしまいました・・・

スポーツで声を出すときは、的確に、遠くに伝えることを目的としているから、自然と鍛えることになるんでしょうね。
身体を動かしながら大きな声を出していたら、間違いなく喉の筋肉も頑丈になっていきますよね!
高校の時、学校のグラウンドから聴こえていた部活動中の皆の掛け声を思い出しました。


河野明子アナウンサー
確かに声は低いです。
相当低いです。
意識していないとどんどん低くなっていきます。
第一声があまりに低くて自分で驚くこともしょっちゅうです(笑)

思い当たる理由は2つ。

(1) 男兄弟に挟まれている
(2) 室内スポーツから屋外スポーツへ

(1)
家族って知らない間にしぐさが似てきたり、しゃべり方が似てきたり、声のトーンが似てきたりしませんか?
私の場合は歳の近い兄と弟がいるので小さい頃から男3兄弟のように育ち、『女の子らしい』って言葉に無縁だったんですよね。
物心ついた時には既に低い声でした。

(2)
小学校から高校まではバスケ部。
チームスポーツをしていると大きな声を出す機会が多いので(練習中の声出し、試合中の指示出しetc)、よく通る声が出来上がりました。

でも、『最近また声が低くなった?』と自覚するようになったのは、大学でラクロスを始めてから。
体育館の中だといい感じに響いていたはずの声が、青空のもとでは、『…ああ、屋外って声が空に消えていくんだなぁ。』と。

特にラクロスはサッカーぐらいの広いコートで試合を行うため、コート上にバランスよく散ったチームメイト12人に聞こえる声で指示を出すのは至難の業。
そんな中、皆に聞こえるようにしながらも無駄な体力を使わない、ラクに出せるトーンを無意識に探している内に、あっという間に低くて太い声が出来上がりました。
     
まぁ、考えられる原因はこの2つぐらいですね☆

声が低いことを特別嫌だと思ったことはないのですが、私、一つだけ夢があるんです。
それは、一度でいいから、なにか咄嗟の事態に驚いた時に、「キャッ♪」と可愛く言ってみたいのです☆
どうしても「うぅわ!」とか「おお…!!」などの異常に低い声がお腹から出てしまうもので…。
どんなに意識しても、咄嗟の時だからこそ叶わないんですよね〜(涙)
  
普段の声はとても低いですが、アナウンサーとしてもっと幅広い表現をするためにも、高い声を出せるように精進したいです!

河野さんはラクロス日本代表!
その低音も日本代表クラスです。
その優しい低音の声は、報道ステーションで聞いていてもとても自然に耳に入ってきて、心地いいです。
でも、そんな河野さんが「キャッ♪」と言ってみたい気持ちもわかります。
逆に私は太い低い声を開拓して、エンタメのナレーションで駆使してみたいです。

周りの環境というのが、人に声にも大きな影響を与えるということがよくわかりました。
三人とも、低音ボイスが確立されたきっかけに「スポーツの経験」というのを挙げているのが、その証拠だと思います。
でも、この方法はかなり負担も多いです。
やっぱり基本が大事。
これから低音の声を開拓するには、まず腹式呼吸を身につけ、意識を下に持っていき、無理をしないで練習し続けてみましょう!
 
Q&Aの紹介
 
 
こんにちは! いつも質問メールありがとうございます。
このコーナーでは皆さんのご質問にズ・バ・リお答えします。
番組のこと、テレビ局のこと、ニュースのこと、○○アナウンサーのこと、いろいろと皆さん疑問に感じていることに、テレビ朝日のアナウンサーが直接このコーナーでお答えします。皆さんからの質問をお待ちしています。
なお、上宮菜々子が責任を持って担当します。よろしくお願いします。
 
 

    
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