今週は「笑うイラク魂」をご紹介。
今の時期に、思うことを書きました。アカデミー賞授賞式でも思ったのですが
この戦争は芸術にも、暗い影を落としていると感じます。
・ ・・率直に書いてみました。
連日報道されるイラク情勢。
生放送中に、現地と電話をつなぐ。
ジャーナリストとの会話。戦禍の状況。
CNNからは最前線が24時間生中継されている。
流れるのはミサイル発射の映像と、破壊された廃墟。
しかし、辺りには人の気配が感じられない。
発射ボタンを押したのは?
命令したのは?
被害を受けた側の映像も少ない。
アメリカの報道規制が厳しいらしく、情報操作がどこまでなのかも分からない。
誰が命を奪っているのか。
誰が命を落としているのか。
私は分からなくなってくる。
でも、確実に、起きている。
そんな中、この映画を見た。
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『笑うイラク魂』
2002年12月。国連査察の進むイラクに新聞記者が出向き、市民の声を聞いた
ドキュメンタリーだ。戦争が始まる前のことである。
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病院で出会った母親。
「子どもが病気で大変だというのに、あなた方は写真を撮るだけですか」
理髪店の主人。
「戦争が始まっても店は閉めない。子どもだって、アメリカと戦うぜ」
雑誌も見た。
リトルモア社から創刊された「FOIL」。画家の奈良美智さんと写真家の川内倫子さん
が去年の秋にアフガニスタンを訪れ、それぞれが撮った写真と、描いた絵が載せら
れている。
自転車に乗って、家路を急ぐ親子。
彼らの日常には、色も、笑いもある。
砲弾を受けた建物や、押しつぶされた車を背景に。
誰かの足指が写っていた。
金属片で切ったのか、1センチほどの傷口と、血に濡れた布が見える。
その時、初めてぞっとした。
日常の切り傷の果てに、壮絶な死が見えた。
血を流すとは。
銃弾を浴びるとは。
命を落とすとは。
日々を切り取った、二つの映画と雑誌。
それらは状況を変えない。
しかし、切り裂かれていくのは彼らの全部だ。
■作品データ/『笑うイラク魂
民の声を聞け』
監督・撮影:吉岡逸夫
編集:山崎裕也
配給:BOX OFFICE/2003年日本・イラク/60分
※BOX東中野での上映は終了しましたが、きょう4日からシネ・ヌーヴォ九条(大阪市西区)で上映が始まります(25日まで)。さらに今夜は吉岡逸夫監督のトークショーも行われる模様。詳しくはこちら↓をごらんください。
■映画館「シネ・ヌーヴォ九条」サイト
http://terra.zone.ne.jp/cinenouveau
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