身長
170cm
出身地
福岡県福岡市
出身校
日本女子大学附属高等学校→
日本女子大学
入社年月日
2001年4月1日
星座
蠍座

11/25    「小泉氏発言」

「即ゼロがいいと思いますね」

即答だった。
小泉純一郎元総理の、日本記者クラブでの会見。
質疑応答の際、「原発をゼロにする時期は?」と問われての解である。


会場には、約300人の記者が詰め掛けた。
2時間にわたり、身振り手振りを交えて脱原発を訴える。
時折天を仰ぎ、右手を挙げて指を突き出す仕草。
稲光のように、カメラが一斉にそれを捉える。

「総理がね、実現するために使う権力。それは原発ゼロの決断です」
「いかに国民から与えられた権力を、望ましいあるべき姿に向かって使うか」

会見中は、“権力”という言葉が20回近く繰り返された。
強い拘りに気圧されながら、自分なりにその意味を考えてみる。
総じて、権力闘争は政局の象徴として語られがちだが、
政策を実現する切り札として、
総理大臣の持つ絶対的な力を有効に使うべき…ということか。

政治で一番大切なのは方針を示すことであり、
そうすれば必ず知恵ある人(専門家)が良い案を作ってくれる―。
元総理の持論は明快だ。
一方で、専門家たちは、方々でこの発言を分析する。
「対案がない。スローガンと政策は違う」
「何か別の狙いがあるのでは?」
賛否を含め、様々な憶測を呼びながら、未だその真意は見えてこない。

「小泉さんの発言、どう思う?」
日常会話でも、最近はこの話題で持ちきりだ。
ただ、よくよく聞いてみると、語る上での主語はあくまで“小泉さん”。
原発ではなく、発言者への意見であることが多い。

日本で初めて「原子の火」が灯ったのは、1957年8月27日。
議論の点火棒となった元総理の真意を紐解き、発言の感想を述べたところで、
問題は何ひとつ解決しない。

2013年11月18日。
現在、稼働している原発はゼロである。



(11月18日配信)   

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