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5月6日 激突!シンクロ・バトル フランス人男性振付師現る!

 
ベールに包まれた新しいプログラム作り。
その裏にはフランス人振り付け師、ステファン・メルモン氏の存在がありました。
フランスには、15年ほど前から男性のシンクロナイズドスイミングの選手が存在し、国内選手権に出場もしていました。それが、メルモン氏でした。
かつて、国内デュエットチャンピオンにもなったことがあるメルモン氏は、その後米国に渡り、ラスベガスの水のショー「オー」でアーティストとしても活躍していました。

パリの街角でも常に日本の音楽を聴いているステファン

去年9月、チューリッヒのワールドカップで日本が19歳のロシアデュエットに負け、井村コーチが芸術性について悩んでいたさなか、ステファン・メルモン氏から思わぬ申し出があったのです。

井村雅代コーチはこう言います。
「ステファンが言ってくれたんですよ。世界一の技術を持った日本が負けるのはおかしいと思うと。世界一の技術と自分の芸術性がドッキングしたら、素晴らしいものが出来るんじゃないかと。」

ラスベガスのショー「オー」のアーティストとして、その特異な表現は定評があった

今年2月、パリで、ステファンは日本の演技をパソコンで分析しながら、その長所と短所を洗い出して、研究していました。
いったいどんな演技を考えているのでしょうか。

「今年の目的は審判員たちに目を見晴らせるような変身した日本を見せることです。全く違う日本を作ります。」

「生まれ変わった日本をお見せしましょう。」とステファン

ステファンは、チューリッヒのワールドカップの結果を、審判に新しい印象を与えることができなかった日本が、これまでと違うパターンで演技をしてきたロシアに敗れたと分析していたのです。

ステファンは今シーズン、フランスのソリスト、デデュー選手の振り付けも担当しています。デデューもステファンの芸術性には「これまでのどの振付師にもなかった」といたくほれ込んでいるようです。

フランスのソリスト、ベルジニ・デデュー 音楽を聴きながら自由に演技をするデデュー

その振り付け方法はこれまでのものと全く違います。
曲に合わせて自由に演技をさせ、選手が持っている表現方法を全て出させ、そこから新しい動きを見つけていく独特の振り付け方法です。
「音楽を聴いて、それにあわせて自由に動いてもらう。その動きの中から面白い要素を取り出すこと、それが私の仕事の出発点です。」

ステファンによれば、大切なのは音楽をどう表現するかと言うこと。

ステファンの振り付けでは曲が何よりも大きくものを言います。
その曲を聴いた瞬間、日本のデュエットの姿が頭に浮かんだと言う、ある一曲を選びました。それは、これまでとは全く傾向の違う曲でした。
「過去5年にわたって日本のデュエットを見たのですが、すべてオリジナルの曲でしたね。今回はほとんどの人がとてもよく知っているけれど、新鮮な、深い曲です。」

ステファンは日本のためにある曲を選んだ
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