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身長
156cm
出身地
富山県高岡市生まれ鎌倉市育ち
出身校
神奈川県立外語短期大学付属高等学校→
早稲田大学第一文学部フランス文学科
入社年月日
1977年4月1日
星座
山羊座

11月8日     フィギュアスケート王国ニッポンを支える人

フィギュアスケートのグランプリシリーズ、お楽しみいただいていますでしょうか。テレビ中継で見るのは選手とコーチの姿ぐらいですが、実は、日本のフィギュアスケートを陰で支えている人たちがいるのです。今年の2月14日に報道ステーションで特集した企画の概要をご覧いただきましょう。

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2012年2月11日、四大陸選手権で2位になった浅田真央さん。果敢にトリプルアクセル、3回転半に挑戦して、回転不足と判定されてしまいましたが、大きな減点にはならず、その挑戦が評価されました。

これは2010年バンクーバーオリンピックの後の採点規則の変更があったからです。

日本の選手たちは個性豊かな演技で安定した力を発揮し続けています。

 

「81歳です。恥ずかしい!」
「はまり込んじゃいました。」
「最高に楽しい!」

あらゆる年代を巻き込んで、世界でも類を見ないほど愛されるスポーツになった日本のフィギュアスケート。これを支えてきた人がいるのです。

 

国際スケート連盟理事、平松純子さんです。
オリンピック種目の国際競技団体で「理事」を務めている日本女性は平松さんただ一人です。

ISU(International Skating Union)、 国際スケート連盟には世界61ヶ国が加盟しており、フィギュアスケート、スピードスケート、ショートトラックなどの世界選手権やグランプリシリーズ、ワールドカップなどを主催しています。

 

最高決定機関である理事会では、イタリアのチンクワンタ会長の元、平松さんは、フィギュアスケート担当理事4人のうちの一人として活動しています。

この日の議題の一つは、ソチオリンピックの会場についてでした。

当初、平松さんは、国際スケート連盟の理事会で扱う項目の多さに圧倒されたといいます。

 

宮嶋:「国際スケート連盟の理事会での仕事は主としてどのようなことですか。」

平松:「スケート連盟のすべてをオペレート(運営)することですね。スケジュールだけじゃなくて、経済的なこと、収入支出、デベロップメント(開発・普及)すること、あまりにも大きな範囲で」

宮嶋:「実はスポーツは巨大な企業みたいになってきていますね」

平松:「今、特にそうでしょう」


 

国際スケート連盟の仕事は、スケートをよりダイナミックなスポーツとして、競技の価値を高め、放送権料などで得た収入を現場に還元し、スケート人口を増やし発展させていくことです。そのためにはどうすればよいかが検討されていきます。

 

平松さんはスケートを愛するDNAを母から受け継ぎました。

フィギュアスケートの草分け的存在だった上野衣子さんを母に持ち、氷に乗り始めた純子さんは、17歳でスコーバレー大会(1960年)に、21歳で、インスブルック大会(1964年)に出場します。

日本の女子選手として初めて旗手を務め、引退後は母と同じ審判の道を選びました。

結婚後、子育てをしながら国際審判の資格を次々に獲得し、長野オリンピックでは、母に続くオリンピック審判となり、開会式では世界の審判を代表して宣誓を行いました。

2002年、審判としての平松さんの一大転機となったのが、ソルトレークシティーオリンピックでのペア不正採点疑惑でした。

 

優勝候補のロシアペアにミスが出ます。
実況:「ちょっと男性が躓いた!」

一方カナダペアは完璧な演技を披露。
実況:「きれいに決まった!」

しかし、得点は、ミスをしたロシアよりも低い5.8が多く、一部の審判への疑惑が浮上しました。 両者に金メダルを与える形で収束させたものの、スケート界の大きな汚点となったのです。

 

ISU、国際スケート連盟の威信をかけての採点方法全面改革。
平松さんは国際スケート連盟・技術委員に選出され、改革に着手するのです。

100年の歴史を変える新しい採点方法。
減点法から加点法への転換。
これまでは、6.0から減点して、優劣をつけている方式でしたが、新しい採点方法では技術点と演技構成点を加点していく方法へと転換。

 

また、今までの採点では、技術点と芸術点の数字は発表されますが、その詳しい内容までは明らかにされませんでした。これを、何がどう評価されたのかまでわかるようにしたのです。

平松:「非常に細分化したと。一言でいえばね。」

 

Total Elements Score 技術点では難易度が決められたジャンプやスピンの一つ一つの出来ばえを採点しています。

またProgram Components Score 演技構成点では、スケーティング技術、技と技のつなぎ、演技力、振り付け、局との調和など5項目を採点します。

 

このルール改正について、日本スケート連盟の伊藤秀仁フィギュア部長に話を聞いてみました。

宮嶋:「あのルール改正は日本選手にとってどういう影響がありましたか?」

伊藤:「日本選手にとっては、ジャンプの部分ですとか、プラスになる面もあったと思います。逆に言うと、もっと日本人がこれを勉強して強くならなければ勝てないという部分も出てきたんです。たとえば表現力ですとか、音楽に関する完成ですとか。」

この新しい採点規則を作った当事者の一人として、平松さんは、日本選手に対してどう考えていたのでしょうか。

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