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12月27日 手塚治虫に恋をして20年。

この映画を通じて、
漫画の神様・手塚治虫の凄さを痛感。
改めて、その創造力、感性、悟性に圧倒された。

生涯で15万枚書いたといわれる名作の中でも
『どろろ』は戦国時代劇で妖怪もの。
この作品が書かれた時期は、ちょうど学園紛争や安保闘争などがあり、
戦後の混沌とした時代でもあった。
映画『どろろ』では、具体的な時代や場所というものは描かれず、
はるか昔のことのようにも遠い未来にも見えるように出来ている。

あえてここでは、原作『どろろ』を紹介する。

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室町時代末期、
武士の醍醐景光は天下統一の代償として
自分の子を48体の魔物に差し出す。
赤ん坊は体の48箇所を欠損した体で生まれ、
“呪われた子”としてそのまま捨てられてしまう。
医者に拾われた赤ん坊は、仮の肉体を与えられ成長し百鬼丸と名乗る。
立派な青年へと成長した百鬼丸は、自分の体を取り戻す旅に出る。
旅の途中でこそ泥のどろろと出会い、二人で旅を続ける。
魔物を倒すたびに、奪われた48箇所の体が一つずつ復活していく。

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険しい山を背に果てしなく続く草原、広大な海、
抜けるような晴天や夜明けの煌めき。
ニュージーランドで大掛かりなロケーション撮影をしたということもあり、
スケールは大きい。
ワイヤーアクションも『少林サッカー』や『HERO』を監督した
チン・シウトン氏が担当。迫力がある。
そのワイヤーアクションを見事にこなし演じた妻夫木さんに驚かされた。
私の勝手なイメージだが、この映画で
線が細く綺麗な妻夫木さんから
繊細だけど骨太でうまく哀愁のだせる俳優さんに印象が変わった。

一方、どろろを演じた柴咲コウさん。
原作では、どろろは少女だけど少年という設定。
幼少期の悲しい生い立ちから、
女ではなく男として強く生きてきたのである。
柴咲さんは顔がきれいすぎるのか、女にしか見えない。
はじめのうちは粗野に振舞う感じにも違和感が…。
ただ、最後には柴咲さんらしいどろろとして伸びやかに演じていたので、
原作を基準に違う!と考えずに見てほしい。

百鬼丸の背負った運命、どろろの孤児としての哀しみ、
戦争が残す傷跡、仮の肉体、自分を探す旅、因果の道理。
挙げたらきりがないほど、『どろろ』は私たちに問題を投げかけている。
手塚治虫のそのメッセージを一つ一つ受け止めるとともに、
その世界観を壊さず出来上がった
映画『どろろ』のエンターテインメントを楽しんでほしい。
 
作品データ

『どろろ』
監督: 塩田明彦
原作: 手塚治虫
出演: 妻夫木聡、柴咲コウ、瑛太、原田美枝子、
      中井貴一、杉本哲太 ほか
配給: 東宝/2007/日本
※2007年1月27日(土)より有楽座ほかにて公開

『どろろ』

 http://www.dororo.jp/


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