柏レイソル対FC東京
2000年4月1日(土)柏の葉スタジアム
明日から4月というその日は、シャツにカーディガンを羽織っただけでも心地よいような、
本格的に春を謳歌できそうな一日でした。
都会の喧騒を抜けるとそこには「FC東京」(江東区深川)の練習グラウンド。
今季J1に昇格したばかりで開幕から3連勝と、
猛烈にその存在を世間に印象付ける
ことになったチームの「風」を少しでも感じたい。
そんな思いを抱えながら、
翌日に「柏レイソル」との試合を控えた「FC東京」の練習を訪ねました。
へこたれない、しつこい、粘っこい…。
諦めるという言葉とは無縁の東京の試合を見せ付けられてきていただけに、どんな練習をしているのかこの目で確かめないわけにはいかない!だなんて、期待
が大きい分、ちょっと力が入っていたかもしれません。
陽だまりのなか、笑顔の絶えない選手達。
サッカーを思いきり楽しんでいるそのムードに、
わたしの力みは一気に吹き飛ばされてしまいました。
チームの「風」。
決してコンディションのいいとはいえない芝の上で練習している選手たちは、
国立競技場の美しい芝生のピッチで試合をできることへの感激、
国立を埋め尽くすサポーターへの感謝、
J1でプレーすることの意味、
すべてを実感しながら力に変えているのですね。
J1に昇格してからの変化を聞くわたしに佐藤由紀彦選手は言いました。
「試合のときロッカールームに入ると、
自分達のユニフォームがきれいに用意して
並べてくれてあるのを見て感激した。
J2のときはユニフォームも自分たちで用意して試合に臨んでいたから、
忘れない
ようにしなきゃとかいろいろ気を付けなきゃいけないけど、
J1はサッカーだけに集
中できる環境なのが嬉しい。」
二度とJ2に落ちてなるものか、
その決意が「チーム力」をいい方向に動かしているFC東京。
彼らの「風」が、胸の中を、逞しくさわやかに吹きぬけていきました。 |