5月27日の「のび太の地底国」から、萩野アナウンサーが『ドラえもん』出木杉(できすぎ)くんの声を担当することになりました! 萩野アナは、昨年の声優オーディションに応募者の1人として参加していました。 出木杉役は、 アニメ『あたしンち』の“予告アナ”として声の出演経験があることや、 クールな声とマイペースな味が買われての抜擢! 出木杉くんとメッセージがこちらに↓ http://www.tv-asahi.co.jp/doraemon/(TV朝日『ドラえもん』HP)
『ドラえもん』のオーディションを受けてから随分経っていたので、お話されたとき、正直ピンとくるまでに時間がかかりました。「発表まで家族にも言っちゃだめ」と厳重に口止めされてから、ああ、これはえらいことになったかもしれないと思いました。猫に話してました(笑) 決まったといわれてから、台本とVTRを渡されたのが本番の2日前という状況だったのですが、会社の中でも秘密だから会社で練習できない。かといって家でもできず。えーん、どこでいつ練習すればいいの!?と、そういった意味では大変でした。やっと隠れなくて済むのがうれしいです(笑)
冗談みたいな話ですが、偶然子どものころ、“オンナ出木杉”とよばれたことがあったんです。でも私は、お休みともなれば20時間も平気で寝ているくらいですから、性格的にはのび太くんに似ているのかも(笑)
ナレーションと違い、キャラクターを演じるということは、感情や状況で当然セリフの声音を変えるものの、その人物を作る核としての声が変わってしまっては絶対にいけない。当たり前のことですが、ここをしっかりおさえてこそプロフェッショナルなんだと再確認しました。とりえは「耳のよさ」と言ってもらってきた長所が活かせるし、まさに『ドラえもん』とリアルタイムで東京郊外で似た子供時代を送ってきたことも役に立っているような気がします。こうして真剣に取り組める仕事を頂いたこと、そのこと自体が幸せですし、これからも『ドラえもん』と暮らしていくお子さんたちにとっての「出木杉くん」を、大切に取り組んでいきたいと思っています。
「小さいころといえば『ドラえもん』!」というくらい、子供のころの思い出そのままの存在です。単行本「てんとう虫コミック」を少しずつ買ってもらって揃えていましたし、コロコロコミックは出かけるときも持ち歩いていました。車酔いが嫌でどうしても行きたくない!と駄々をこねたときに、母が「本当はこういうのポリシーじゃないんだけど…」などとつぶやきながら、「あー!ドラえもん16・17・18巻一気に買ってあげるから来なさいっ!」と一言。喜んで車に乗って『ドラえもん』を読んでいたのを覚えています(『ドラえもん』読んでると酔わなかった、自分でも訳がわかりません)。でも、私だけじゃなくて、近所の子もみんなが何かしらの『ドラえもん』とセット状態だったような気がします。大人になってから知ったのですが、私たち72年生まれ世代は、まさに最初に幼少時からドラえもんと育った世代なんですって。 だから幼少リアルタイムで思いっきりドラちゃんだったのも、今思えば納得です。
楽しい漫画であり、それでいて涙腺を刺激されるお話や考えさせられるお話がある『ドラえもん』は深いですよね。のび太とドラえもんが、のび太のパパに、生きていた頃のおばあちゃん(のび太のパパのお母さん)を会わせるお話がとても好きです。「大人は甘える人がいなくてかわいそうだね」というようなセリフがあって、「そうか…」と子供のころ妙に印象深かったのを覚えています。あと、怖くて覚えているのが「どくさいスイッチ」。嫌な思いをさせる人を消していき、ついに「みんな消えちゃえ!」とスイッチを押してしまい、のび太以外誰もいなくなってしまう。最後には、ドラえもんが、のび太に自分ひとりで地球が回ってるわけじゃないことを教えてくれるための物だったことがわかるのですが、とても緊張して読んだ覚えがあります。ほしいのは、子供のときから圧倒的に「タケコプター」です。他にも空で遊ぶ道具がたくさん出てきますよね。空遊び、子供のころどれほど心躍りそそられたことか。
自分も幼少の頃からいっしょに育ってきた大切な『ドラえもん』の仲間入りをさせていただけることになりました。今まさに『ドラえもん』と育つお子さんたちに自分の幼少期を重ね合わせてしまうほど、『ドラえもん』は特別な存在であることに間違いありません。この気持ちを大切に「出木杉くん」を担当させていただきます。よろしくお願いいたします。