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1月23日 Jチャン取材記 雪深き北国。悩みも深い…

「冬の取材は寒くって大変だよなあ、板倉」
“取材仲間”板倉アナと悩みを共有しようとしたら

「一年前は豪雪取材で毎日のように北国にいましたけど、それはそれは大変で…」
“Jチャンの先輩”板倉アナにそう言われ、私も北国に行かなくては、と秘かに決意した去年暮れでしたが、早くもその機会がやってきました。

青森空港に到着したのは11日午後8時過ぎ。そこから、この冬最大の積雪を記録した酸ヶ湯温泉に向かって出発!…するつもりが、酸ヶ湯へのルートが雪のため夜間通行禁止で、いきなり足止めをくうJチャン撮影隊。これは大変な所へ行くのだな、と改めて認識し、さて翌朝。
青森市の中心部から八甲田山に向かって車を走らせること約40分、酸ヶ湯に到着。




とにかくここには「酸ヶ湯温泉」のみ。つまり他に民家はなく、温泉と旅館などの施設だけなのですが、その周りをまるで包囲するかのごとく積もりに積もった雪の壁がそそり立っていました。
酸ヶ湯温泉によれば、前日から猛烈に雪が降り、積雪3m40センチを記録したとのこと。




映像で見てもどこもかしこも白いためちょっと分かりにくいので線をかいてみましたが私の身長の約2倍あります。気温は−10℃、手など露出している部分があっという間に痛くなります。「温泉入浴シーンはいらないの?」「いらないです」とディレクターにあっさり否定されたため、取材はほぼ屋外のみ。ああ温泉に入りたい。秘湯として名高い酸ヶ湯温泉に…

…でも実は入りました。かなり取材が順調だったのと、早朝から現場入りしたことが奏功してほんのちょっと休憩時間ができまして、10分でも入るぞ!と酸ヶ湯初体験。今までになく芯から冷えた体が今までになく芯から温まる極楽体験でした。




次に向かったのが同じく青森市内でも北の方に位置する前田という地区。ここ2〜3年で空き家が増え、その空き家の屋根に降り積もった雪を下ろせず、危険な状態になっているのだとか。町会長の八木橋さんによると、地区内の147戸のうち13もの空き家があり、子供たちの通学路に面した家も多いため、このままでは事故が起きる可能性が否定できないそうです。屋根の上に積もった雪は圧縮されて非常に重く、下の部分には厚い氷の層ができているため、コンクリートが落ちてくるようなものだと八木橋さんはいいます。

当然早め早めに雪下ろしをするべきなのですが、問題は「誰がやるのか」。そもそも、なぜ空き家ができるのかというと背景に極端な高齢化があります。約半数が高齢者の世帯で、一人暮らしの方も少なくありません。子供たちは都市へ出て行き、残された高齢者が亡くなり、空き家ができる…その空き家の雪下ろしができるほど若い者がいないのです。

専門の方に委託すると料金は10万円以上かかるそうです。行政も一人暮らしの高齢者宅の雪下ろしを優先していて、とても空き家までは手が回りそうにありません。



岸壁に設けられた「雪捨て場」

捨てても捨てても、これでもかとばかりに降り続く雪。
高齢化の問題がその悩みをさらに深くしていました。

 

 

 
    
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