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2月18日 Amazing「ベトナム」〜日本の再来編〜


「アジア諸国歴訪ベトナムシリーズ」最終章は、
ベトナム経済の未来についてです。

ベトナムを訪れると真っ先に感じるのは、その「活気」です。
それは、他の新興国でも感じたことが無いほどの
『底知れぬ活気』なのです。

ベトナムを訪れたことがある、
佐々木正洋下平さやか両アナウンサーも同じ感想でした。

この国は絶対に伸びると。

その最大の理由はなんと言ってもその人口構成にあるでしょう。

人口約8.600万人のうち、30歳未満が59%、
40歳未満まで含めると70%と言われています。
ベトナム最大の商業都市ホーチミンでは青年層の割合がさらに高く、
710万人のうち16歳から30歳までの人口が実に260万人。
若くて元気な労働者の割合が異常なほど高いのです。
少子高齢化の日本とはまさに正反対。
活気があるわけですね。


ベトナムの人はとにかくおしゃべりが大好き。

朝から晩まで、歩道・公園問わずどこでも
長時間の井戸端会議。
何を話しているんでしょうか。

人口が密集するホーチミンでは、子供は2人までという制限が
設けられているそうなのですが、
それでも未だ毎年20万人ずつ人口が増え続けています。


社会科見学で、戦争博物館を訪れていた現地の中学生。
ベトナムでは小学校5年間に、中学校4年、高校3年。
義務教育は小学校のみ。大学・短大進学率は23%
朝の早いベトナムでは朝6時半から幼稚園がスタートします。


朝8時から記念撮影をする新郎新婦。
日中は暑くて耐えられないからでしょうか。

住む人が増えれば、必然的に住居が必要。
人口増加が続くホーチミンでは、世界同時不況をモノともせず、
建設ラッシュが続いています。
市の中心部のみならず、郊外の幹線道路沿いにも、
次々に高級マンションが建ち始めているのです。


ベトナムと聞いて、こんな高層ビル思い浮かびますか?

フランス文化を残す、
サイゴン大教会


大教会や市民劇場のすぐそばでもマンションが続々建設中

ただし、日本の約10分の9の国土の
実に75%が山岳地帯(日本でも60%)というベトナムは、
平野が少なく、物価の割に、地価が異常に高くて有名。

なんと2007年にはたった一年間で
ホーチミンの地価は3倍近くになったそうで、
日本の銀座通りに当たる『ドンコイ通り』では、
すでに1uで200万円以上。
日本の価値に直せば、坪・数千万ほどになる計算です。


ホーチミン市街地から車で20分ほどの高級住宅地。
政府の高官か、よほどの成功者で無い限りまず購入できません。

必然的に家賃も高く、
オフィス賃料は世界で12番目だそう。

地価に引っ張られて、
ベトナムでもリーマンショックの影響が色濃く出た
2008年でさえ、物価上昇率はなんと前年比19.9%
デフレにあえぐ日本とは大違いです。


世界最大級の金融グループもすでにベトナムに進出。

砂上の楼閣と化したドバイと違い、
そのほとんどが投機目的ではなく、実需に支えられているため、
バブルの様相はありません。

むしろ、その心配を上回る経済発展を続けているのです。


ホーチミン郊外のメコン川支流。
川沿いには、家賃を払えない人たちが不法住居を構えています。
貧富の差は少なからずありますね。

2007年の国民一人当たりのGDP(国内総生産)は835ドル。
それが2008年には1000ドルをあっさり越えました。

この世界的な構造不況の中、年率20%以上の上昇率を成し遂げている
国はベトナムをおいて他にありません。


メコン川に掛かる見事な大橋は、
日本のODA(政府開発援助)によって建設されました


水上生活を送っている人も多い

かつての日本もそうだったように、
一人当たりのGDPが1000ドルを越えると
国内の経済活動が盛んになり、その後、経済活動が急速に進む傾向があると
言われているそうです。

優秀で若い労働力を多く抱え、国民性は勤勉で手先は器用、
気質は日本人に通じるものが多いといわれる国。

ベテランの商社マンは、今のベトナムはまるで
昭和30年代前半の日本にタイムスリップしたようだと言います。

だとすれば、ベトナムが、今後日本と同じように
高度経済成長の道をたどる可能性は非常に高いのではないでしょうか。

成熟期を迎えた日本では感じ得ない『底知れぬ活気』
それが本物かどうか、これから何度でも確認したくなる国
それがベトナムでした。


夜景もなかなかでしたよ
   
 
    
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