にほんご学習帳

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アナウンサーになりたい方に是非とも一読をお勧めする、『にほんご学習帳』!
この度、田原アナウンサーに加え、島本アナ、上山が新たに担当に加わりました!

リニューアル初回は、島本アナウンサーが、
“祭り”に関することばを取り上げてくれましたよ!

 

 


島本真衣

連日猛暑日が続いていていますが皆さんは夏バテしていませんか?
この暑さ…もちろんプールや海で涼しく吹き飛ばすのも良いですが、
あえて飛び込んでお祭りに参加して暑さを楽しみに変えてみるのも一つの手段ではないでしょうか。

そこで今回は祭りに関わる言葉を取り上げてみます。
大阪の天神祭・東京の神田祭とともに日本三大祭のひとつに挙げられている京都“祇園祭”。
祇園祭は八坂神社の祭礼で7月の一か月間、神事や祭事が繰り広げられる大規模なお祭りです。
約1100年前に神泉苑(京都市中京区)に日本全国の国の数の鉾66本を立て、
祇園の神を祀り災厄の除去を祈る祇園御霊会を行ったのが始まり、と言われているそうです。
平成21年には祇園祭の山鉾行事がユネスコの無形文化遺産に登録されました。

ところで皆さん、今『山鉾』をどう読みましたか?
やまぼこ」と濁音で読んだ方も多いかもしれません。
先述の通りユネスコの無形文化遺産に登録されたことを機に京都市は
やまほこ」と清音で統一したのだそうですよ。
やまほこ」と読むのが今は正式のようですね。

話題は変わり、
“祭り”を含む表現でよく使われる言葉に『後のまつり』が挙げられます。
広辞苑では
①祭りの済んだ翌日
②(祭りの済んだ後の山車の意から)時期に遅れてどうにも仕様のないこと
とありますが、祇園祭山鉾連合会によれば、この『後のまつり』が京都・祇園祭から生まれたという説を唱える人が多いといいます。

祇園祭の山鉾巡行にはもともと前祭巡行(さきまつり)(7月17日)と後祭巡行(あとまつり)(7月24日)がありました。
しばらく17日、1日のみに集約されていたそうですが、去年2度の巡行が49年ぶりに復興されたのだとか。祭りもクライマックス。最大の見所である前祭巡行では23基の山鉾が京都の中心部を巡行します。
一方で後祭巡行では10基の山鉾が巡行、と数が少なくなるため、一番ふさわしい時期を逃した、手遅れだ、といった意味で『後のまつり』と表現されるようになったという説があるそうです。
京都市観光課の方の話では、確かに、前祭の23基に比べて後祭は10基と少ないですが、後祭でしか見られない山鉾もあったり華やかな花傘巡行も行なわれるんだとか。
贅沢ですが個人的には前祭も後祭も見てみたくなりました。
祇園祭について今回調べてみましたが、気付けばもう8月。
祇園祭も終わってしまいましたね。
まさに『後のまつり』…。
来年は7月中に京都を一度訪れてみたいものです。

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