正しくわかりやすく美しい「言葉」を扱うために。
広く「言葉」について考える「コトノハ」です。
まず、間違って使われることが多い言葉、今回は4つ取り上げます。
◆便利な言葉「世界観」の意味とは?
「人生観」の意味は?「人生に対する考え方」ですよね。
「価値観」の意味は?「ものごとの価値に対する考え方」でしょう。
では、「世界観」の意味は?
「(人などが)作り出す世界の雰囲気」…ではありません!
上のふたつと同様 【 世 界 に 対 す る 考 え 方 】 です。
世界の中での人間のありかたという点からみた統一的な解釈、意義づけのこと。
楽天主義・厭世主義・宿命論・宗教的世界観・道徳的世界観などの立場があります。
「あの映画監督の世界観が好き」などと、独特の雰囲気のことを場面で使われることが多くなっていますが、誤りです。
もはや定着しつつあり共通のイメージを持たれていると言えますが、
できれば使うべきではないでしょうね。
◆「にやけてる」は、「にやにや」した顔?
「にやけちゃってどうしたの」と言われた…どんな意味でしょうか。
正解は…
【 男 性 が 変 に め か し こ ん だ り 、
色 気 を 出 し た り す る こ と 】
なんです。
古くは「にゃける」と言い、漢字で書くと「若気る」です。
そもそも「若気(にゃけ)」とは鎌倉・室町時代に男色を売る若衆」のこと。
めかしこむと言っても好意的ではなく、「なよなよしている」というニュアンスです。
声を出さずに薄笑いをする「にやにや」、「にやり」という言葉から、
「にやにやすること」と思われがちですが、実は誤用なのです!
本来の意味を知れば、あまり「にやける」という言葉を使う機会はなさそうですね…。
◆なくなるという意味の、「つきる」と「そこをつく」…混同しがち!
「(米と小麦としょう油が)底を尽きました」と字幕テロップ。
正しくは…
【 底 を 突 き ま し た 】です。
「なくなる」という意味での「つきる」はもちろん、「尽きる」です。
しかし、熟語では「底を突く」です。底はなくなりませんよね。
つまり、「底を尽きた」ではなく「底を突いた」です。
混同する人が多いようです。要注意!
◆ため息はどうする…?
「ため息を吐く」を「はく」と誤読。
正しくは…
【 た め 息 を つ く 】です。
「吐く」には「はく」という読み方はもちろん、「つく」という読み方もあります。
ただ「息を吐く」という場合は「はく」でかまいませんが、
「ため息」の場合は「つく」と読むべきでしょう。
<おまけの漢字クイズ>
今回は、とっさには読めない!?動物の漢字クイズです。
1) 河馬
2) 野衾
3) 子守熊
4) 鬣犬
答えは…
- 1) カバ
- 河にいる馬、でカバです。
- 2) モモンガ
- 野で衾(ふすま)を広げたような動物、ということでモモンガです!
「ふすま」と言っても、和室を仕切る建具である「襖」ではなく、
平安時代に使われていた掛布団のような寝具である「衾」のことです。
- 3) コアラ
- 子守をする熊、でコアラなんです。
- 4) ハイエナ
- 鬣(たてがみ)のある犬、ということでハイエナです。
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