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見世物祝祭劇(スペクタクルオペラ)「エレンディラ」。 演出は世界のニナガワこと蜷川幸雄 原作は「百年の孤独」を書いたガルシア・マルケス 作曲は「ピアノレッスン」のマイケル・ナイマン これを聞いただけでも飛びつきたくなる人は多いことだろう。 でも正直なところ(勉強不足で恐縮ですが…)私はそれを聞いてもピンと来なかった。 そんな私でも主演の美波さんにインタビューをしているうちにどんどん気になってしまい、 引き込まれていくのだった。 そして劇場へ…。 劇場への道もその日は暑くて、まるで砂漠のようだった。 ミセモノシュクサイゲキとは一体? 少女「エレンディラ」は唯一の身内であるおばあちゃんの大切な財産と家を火事で消失させてしまった。 そのお金を返済するため、 無垢な少女エレンディラは娼婦として働き歩かなければならなくなったのだった。 エレンディラの一行が、風が吹きすさぶ戦の最中の砂漠を進んでいく。 静寂のイメージの砂漠とは打って変わって、エレンディラの砂漠はかしましい。 飢えた戦士たちがエレンディラを求め叫び、 嫉妬に燃えた娼婦がエレンディラを蔑み、 エレンディラ一行は人を集めるために、サーカスのように大騒ぎ。 ギラギラと照り付ける太陽の下、欲望と金とが交じり合って原色の模様が織り成される。 見所のひとつは“砂の質感” 舞台の上に砂は無い。 それなのに砂漠の質感が手に取るように分かる。 上演開始後すぐに私たちに目に飛び込んでくるのは、 砂漠の中を進んでくる、斜めに傾いた人々。 風と巻き上げられた砂の質感がところどころに感じられる。 安部公房やダリの世界を彷彿とさせるシーンもある。 現実なのに現実より現実で、だからこそ現実離れしているような雰囲気である。 そしてもうひとつの見所はやはり、女優・美波の演技である。 |
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美波さんにはこの舞台を前に、2度ほどお会いしてインタビューをしたことがある。 彼女はとても美しい。 透き通るような白い肌で 何かに恋をしているような、うっとり夢見たような甘い視線。 そして、どこか遠い国の物語を思い出しているかのような口調。 数分一緒にいるだけで彼女の虜になってしまう不思議な女優さんなのだ。 彼女と話していると星が降ったり、月が昇ったり、砂の音が聞こえたり夜の匂いに包まれたりする。 その幻想的な存在感はエレンディラにも通ずるものがあるのだろうか エレンディラとして登場した彼女は別人ではなく、美波さんの違う一面という感じだった。 そんな彼女が、舞台では生まれたままの姿を披露する。 しかしマスコミが騒ぎ立てたようないやらしさはない。綺麗で見とれる。 無垢なエレンディラは、娼婦になっても心が変わらないから無垢なままで居られるのだろうか。 そしてもうひとつ忘れてはならないのがおばあちゃんの存在。 |
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意地悪なおばあちゃんとして描かれる醜い姿のおばあちゃん。 でもその存在の根本にはいつも孫娘への愛情が溢れていたことは重要な見所である。 その愛をどこかで感じていたからこそ、 何度となくあったチャンスを無にしてでもエレンディラはおばあちゃんといることを選んだのだ。 さて、砂は一度こぼれ落ちだすと止まらない。 さらさらと、エレンディラの不運な運命が滑り出す。 あなたがこうしている間にもエレンディラの運命が刻一刻と辛い方へ向かい出している。 そこに現れた不思議な力を持つウリセスという青年。 ウリセスが見たエレンディラとは? そして彼が愛のために選んだ道とは? |
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