2006年10月25日(水) 9:00〜9:54pm第3話「犯人はスズキ」

 柳瀬町の神社で白坂(白石タダシ)という男の他殺体が発見された。偶然事件を聞きつけたたまきから連絡を受けた右京(水谷豊)は薫(寺脇康文)とともに捜査に乗り出す。聞き込みから白坂は殺される直前、同じ町内会のスズキと言い争っていたことが判明。右京らはスズキを探すが、引っ越してきたばかりで町内会長の池之端(高橋長英)らも居所を知らないという。スズキと思われる男がコンビニに残した指紋から、空き巣の現行犯で逮捕された江島(加島祥全)であることがわかった。江島が逮捕されたのは3カ月前。ちょうどそのころここ柳瀬町でも空き巣が捕まっている。まさか江島が柳瀬町で…!?

 江島の遺体が自宅で発見された。どうやら首を吊って自殺したらしい。やはり江島は3カ月前、柳瀬町で白坂の家に空き巣に入ったところを町内会の住民によって捕まっていた。江島を捕まえた住民とは、スズキの釣り仲間・堂本(斉藤暁)だった。が、堂本はスズキが江島と同一人物だったとは気づかなかったと苦しい言い訳を繰り返す。堂本はかつて警察官として柳瀬町の交番に勤務していた。それだけ柳瀬町には愛着もあるはずだ。その堂本がなぜ町を荒らした空き巣犯を庇おうとするのか?右京らの追及に堂本は怒り出して…。

 右京と薫は江島が盗みに入った白坂の家へ。そこで30年近く前の人気アニメ「マジカル・リリィ」のキャラクターグッズを見つける。が、白坂に子供はいなかったはずだ…。右京は古い新聞を調べ、柳瀬町で24年前に小学生の少女が殺害される事件があったことをつかむ。結局犯人は見つからず10年前に時効になっていた。

 右京は町内会のメンバーを集めると、事件の真相を説明する。実は白坂殺害の容疑者スズキはもともと池之端ら作り出した架空の人物。すべては白坂を殺害した真犯人・池之端を庇おうとして、町内会のメンバーが発案したものだった。
 なぜ彼らは池之端を庇おうとしたのか。実は24年前に殺された小学生は池之端の娘・桃代だった。町内会のみんなが愛していた桃代を殺したこと犯人を誰もが憎んだが、結局時効に。しかし、江島が白坂の家に空き巣に入り、桃代(清水舞)が使っていた文房具を盗み出したことで白坂が犯人とわかってしまった。問いただした池之端は思わず白坂を殺害、一緒にいた堂本は自首するという池之端を説得。町内会のメンバーにスズキという男を犯人に仕立てようと提案したわけだった。

 スズキさんは架空の人物じゃない…。
 本当にスズキが我々の無念を晴らしてくれたような気がする…。
切ない思いを口にする町内会の人たちに、右京はつぶやいた。
「それが本当だったら、どんなにいいでしょう……」。

ゲスト:高橋長英 斉藤暁

脚本:岩下悠子
監督:森本浩史